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小学校2年生くらいまで私は姉と一緒に、
母が、寝る前に絵本を読んでくれるのを楽しみしていたの。
「てぶくろをかいに」「笠地蔵」「ももたろう」等、
テープで修理された絵本は、今も私の本棚にある。
同じ本棚には、11月5日に亡くなった絵本作家、
佐野洋子先生の代表作「100万回生きたねこ」もあります。
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大嫌いな「王さま」に連れて行かれた戦争で矢に当たり、
大嫌いなサーカスの「手品師」の失敗で真っ二つ…。
100万人にかわいがられ、
100万回死んでも平気で、生き返ったねこ。
誰よりも自分が好きだったけれど、
自分に見向きもしない白いねこを好きになり、
先立たれ、100万回泣いて、死んでいく…。
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佐野先生は別の本の後付けで
「読者も正直いってあんまり考えていない」
「私はある人が、ある体験を受けて、
どう反応するかが面白いの」と語っておられます。
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小さい私は、挿絵で描かれた乱暴そうな印象が強く、
自由奔放に生きたねこが、最後は天罰で懲らしめられ、
自分の過ちに気がつく。というふうに読んでたけれど、
今、改めて読んでみると、私たち「人間の生き様」を
この猫を代役に表しているのではと思えました。
このご本は、あらためてページをめくると、
それこそ100万通りの読み方がありそうですね。
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子供時代に読んだ絵本をもう一度読むと、
違った世界が見えてくるかもしれませんよ。
あなたは大人になってから「絵本」を読まれましたか。
今日も、よい一日になりますように。
(ende.)
