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「旋律の一番簡単な進行は直線である。」
作曲家トッホの理論書『旋律学』に、高音線が完全に
水平な直線の実例を挙げている。
これがベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章の冒頭、
ヴィオラ群の譜例で単純にして壮大かつ嵩高な旋律で、
この旋律を主題とし、続いて対位主題が書かれている。
対位主題はヴィオラとチェロ群によって優美に歌われ、
ベルリオーズは「哀歌」と呼んでいた。
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今日のスコアに提示されている速度記号はAllegrettoだが、
ベートーヴェン自身の指揮では、ゆったりだったらしく、
1814年のウィーンの演奏会の批評でAdagioと書かれたほど。
またライプツィヒの「一般音楽新聞」には、
Andateと書かれていた。
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ともあれAllegrettoの中でも遅い速さなのだろう。
1813年の公開の初演で第2楽章はアンコール演奏され、
批評家たちも、この楽章には特に感銘させられてしまった。
フランスでは1821年にパリ・オペラ座でアブネックが、
第2交響曲を演奏するに当り、第2楽章を第7交響曲の第2楽章と
入れ替え、この楽章にパリっ子たちが大喝宋を送り、
この習慣は数年間続いたと言う。
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1817年、ロンドンのフィルハーモニックの演奏会評では、
ありうる限り最も微妙な、真に宝石のような音楽、と書かれ、
1829年のパリのソシエテ・デ・コンセールの初演評では、
聖ヨハネの讃歌に通じると述べられていた。
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画像は、カルロス・クライバーの指揮で
ベートーヴェンの交響曲 第7番 第2楽章
Carlos Kleiber -Beethoven symphony No.7, Op.92 : mov.2 です。
(ende.)
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Special Thanks:Ms.Violinist.
The author is "Ms.Composer."
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