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あなたは、東京都文京区の区長さんが男性首長として
初めて育休を取得したと伝えたニュースを覚えていますか。
現在、厚生労働省はイクメン(育児する男性)を紹介し、
男性を意識啓発するプロジェクトを実施中なのです。
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昔からわが国では父親が育児にかかわることは少なく、
専ら母親が担ってきました。
だけど、親族や地域の支えが弱くなった今、
母親のみで育児するは難しいと思います。
また、共働き家庭では、父親も育児しなければ
母親の負担は重く、とても仕事を続けられないでしょう。
親は2人なのだから、育児も協力し合うべきだと思います。
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では、肝心のイクメンは増えているのか?
日本家族社会学会の全国家族調査によると、
未就学児の父親が子どもを世話する週当たりの回数は
1999年に2.9回で、2004年は2.4回、2009年は2.5回。
10年前に比べ父親の育児参加は減っている。
これでは「イクメン」という言葉だけが一人歩きしている
と言われても否定できない。

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なぜ父親の育児参加は増えないの?
一番の理由は労働時間の長さにあると思う。
日本の男性の労働時間は、欧米より週当たり約10時間長い。
リーマン・ショック後に労働時間は短くなったけれど、
それでもまだ長い。長時間労働を是正しなければ、
父親たちは平日に子どもに関われない。
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先の調査でも、男性の育休取得率は2009年度で1.7%。
取得が進まない背景には、制度的な問題がある。
例えば男性の取得が多いノルウェーは育休中の所得は
100%保障される。日本の場合は50%(約20万円が上限)。
第1子出産後の母親の殆どが専業主婦なので、多くの場合、
父親が家計を支えている。
所得保障がないと蓄財のある人以外は、育休をとれない。
北欧の国々のような「男性の取得を可能にする制度設計」を
欠いたまま、育休取得を促すのは「絵に描いた餅」でしょ。
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現実的な解決策は、男性の育休取得者が多い企業の取り組みを
参考にすればいい。そうした企業では、父親に5日分の有給休暇。
を付与したり、使い切らなかった年次有給休暇(有休を消化でき
ないことは問題だが)を積み立てて育体に使えるようにすることで、
所得を保障している。あるいは育児のため、自分で有体を使って
休む男性も少なくない。制度上の所得保障が不足する中では
こうした方法を取らざるをえないでしょう。
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イクメンを定着させるには一時の啓発キャンペーンより、
労働時間の適正化や、多くの男性が使いやすいように
育休などの制度を改善することが必要だと私は思います。
(ende.)