Ms.Violinistのひとりごと-ピーターの法則
(2010年(平成22年)11月19日(金):毎日新聞(朝刊))
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「組織の中で誰を出世させるかは、
能力や実績じゃなくて、くじで決めた方がいい。」

そんな説を唱えた3人のイタリア人の学者が今年の
イグ・ノーベル経営学賞を受賞した。ノーベル賞のパロディ版。
でも今年、本物のノーベル物理学賞を受賞したガイム博士は
こっちを先に取った。侮れない賞だ。

ではなぜ、能力による抜てきがよくないかというと……。
「こいつはデキる」という人を昇進させても、
新しい役職は「デキる」と評価された時のと違うから
同じように力を出せない。
出世するほど無能さを発揮する結果に。
1960年代に登場した「ピーターの法則」と呼ばれるものだ。
それをイタリアの学者が今風に立証し、
無作為抽出がはるかに効果的と結論付けた。   

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だけど抽選はないでしょうって?
「デモクラシー」はギリシャ語から来ているけれど、
古代アテネでは、軍以外の公職をくじで市民から選んでいた。
オーストラリアの学者リン・力ーソンさんらによると、
くじ制のメリットは、派閥や権力闘争が薄れること。
当時の対立は政策を巡るもので、とても議論が活発だったそうだ。

でもくじで選ばれた人が真剣に仕事をする?
大丈夫。日本では最近始まったばかりだけど、
裁判員は、「ある日突然」でもきちんと役目を果たしている。

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この際、日本の首相も与党の中からくじで選んでみるのもいい。
ただし任期途中の交代はナシ。
…冗談でしか言えないけれど、なぜかメリットが思い浮かぶ。

次は自分かも、の気持ちが与党議員全員の日常の精進につながる。
万一、困った人が選ばれでも、誰のせいにもできないから、
みんなで一生懸命サポートする。そうしないと政権が壊れ、
我が身にも災難が降りかかるから。
案外今よりいい感じに思えてきたりして。
(ende.)

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