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あなたは課題曲を弾かれる時には、
その前に音階練習をなさっておられますよね。
では、先に課題曲だったらどうでしょうか。
なんだか、音程が定まらないような気がして
不安になりませんか。
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じつは私にも、それはあるんです。
演奏会の本番やリハ、レコーディングの現場でも
演奏する曲の前に音階練習を一通りこなしてから、
本来の奏でる楽曲に当たっています。
この事前の練習のことを「指ならし」と言ってます。
習慣といえば習慣ですし、そうすることで
「気持ちを落ち着かせる」効果があるといえば
きっとそうかもしれません。
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でも、思えば、野球のピッチャーさんだって、
ブルペン(=投球練習場)で、しっかりと投げ込んで
「肩を作って」からマウンドに上がっているでしょ。
演奏前の「指ならし」は、これと同じ意味があると
私には思えるのです。
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というわけで、いつも私は早めに現場に入っています。
大先輩の中には、すぐに演奏ができてしまわれる方も
おられますが、あいにく私はそうではないようです。
現場によっては、先に入れない場所もあるので
そんな時には「肩を作って参ります」と宣言してから
チクチクと音階練習を行っているんです。
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あなたは「指ならし」が必要ですか。
ヴァイオリン以外の楽器の方はどうなさっているのかな。
私の、ちょっとした疑問でもあるのですよね。
(ende.)
