
(2010年(平成22年)11月4日:毎日新聞(朝刊))
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秋の夜長、読書やパソコンにふける方も多いでしょう。
でも夜更かしはお肌の大敵。熱中しすぎは禁物です。
なぜ、寝不足だと肌が荒れるのでしょう。
お肌はほとんど、睡眠中に生まれ変わります。
日中、活動している時は脳に血液の多くが集まります。
反対に睡眠に入ると、血液が肌や内臓に十分行き渡り、
酸素や栄養を各所に配り細胞が新しくなるのです。
お肌のために食事に気をつける女性が多いですが、
実は睡眠の方が影響を及ぼします。
友達や家族が寝不足の顔だと、見て分かることがありますね。
1でも前日きちんとした食事をしていたかは、
顔を見ても分かりません。睡眠はためておけないので、
すぐに肌や体に影響するのです。
ところが日本人は、とても睡眠を軽視する傾向があります。
ここ30年間、日本人の睡眠時間は毎年1分ずつ短くなっています。
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では睡眠クイズ。正しいのはどれでしよう。
①平日が寝不足でも週末に寝だめして取り返せば問題はない。
②1日6~7時間眠れば、何時に就寝してもよい。
③睡眠不足だと太りやすくなる。
まず①は×です。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、
肌や組織の再生が行われます。
週末に寝だめしても1週間分まとめて再生されることはありません。
②も×。成長ホルモンの分泌は体内時計で制御されており、
就寝時刻がまちまちだと分泌が阻害されます。
③は○。成長ホルモンは脂肪の燃焼を促す作用もあり、
寝不足はそれを妨げます。
食事量が同じでも規則正しい睡眠を取るだけで、体重や中性脂肪、
血糖値などが下がることもあります。
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睡眠不足だと肌が十分に再生されず、
古い細胞が肌に残って、くすみます。
朝起きて「くすんでいるな」と感じたら、即効性があるのは
ピーリング化粧品による角質ケアです。
古い角質をとって透明感のある肌を作ります。
もちろん、睡眠を十分取る方が先決ですね。
寝つきが悪い人は就寝前に部屋を暗くし、
リラックスして過ごしましょう。
光は脳を刺激し、覚せいしてしまうからです。
パソコンや携帯の画面も、睡眠の妨げに。
ラベンダーのアロマオイルやカモミールのお茶などは、
安眠を誘う助けになります。
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このお話を読みながら、私、
「眠れる森の美女」の物語を、頭の中で妄想していまいました。
(ende.)
