
(2010年(平成22年)10月9日(土):毎日新聞(朝刊))
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ジャズが流れ、グラスを傾けながら古本のページをめくる。
大阪市北区の天神橋筋商店街と周辺に古書店が次々と登場し、
新たな「古書の街」として人気を集めている。
書物が所狭しと並ぶ従来型の吉本屋だけでなく、
カフェバーを併設したブックカフェ、常連客が酒を持ち寄って
古書談議ができるサロンなど、個性派の店も多い。
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天神橋筋商店街かいわいの古書店は、数年前に数店だったのが
20店以上になった。お好み焼き店や喫茶店などの庶民的な店に
並んで営業し、老若男女がぶらりと訪れる。市中心部よリ
テナント費用が安いことが出店を後押ししているという。
ブックカフェで酒が飲めるのは「ワイルドバンチ」。
ジャズが流れる店内には、1万冊以上の古書が本棚に並ぶ。
黄色いランプに照らされたカウンターでは、客が自分で選んだ
小説や映画関連の古書を読みながら、ウイスキーをたしなむ。
音楽ライブや映画の上映会も定期的に開く。
店主の庄内斉さん(62)は「古書を通して人が集まり、
情報交換できる場を作りたかった。
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ガラス張りの近代的な建物の2階に入る「ハナ書房」。
1920~30年代の美術書の品ぞろえが豊富だ。
夕方、常連客らが酒を持ち寄って絵画談議に花を咲かせる
サロンになる。店主の成本進吾さん(66)は
「昔の古書店は堅いイメージだった。この店では、
みんなが自然に集まるようになった」と笑う。
ほかにも、古書と版画などの美術品を一緒に扱う店もある。
各店が古書を持ち寄っての即売会も開かれる。
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古書店で寺院関連の本を購入していた男性会社員は、
休日になると、ここに来て古書店巡りをする。
店を一通り回った後、庶民的な飲食店で一杯飲むのが
何よりの楽しみ」と、その魅力を語っていた。
(ende.)
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Special Thanks:Ms.Violinist.
The author is "Ms.Composer."
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