
*
野球では、ピッチャーは様々な球種を投げ分けて、
バッターを翻弄し、討ち取るんですよね。
一流の選手の条件は、ストレート(=直球)が
しっかり投げられることなんですって。
でも、このストレートって、じつは「変化球」らしい。
というのは、あなたが何も考えずにボールを投げたとする。
すると、ボールは真っ直ぐではなく、山なりの放物線を描く。
敢えて名付けるなら「ナチュラル・カーブ」なんです。
じつは、ピッチャーは放物線を描かないように、
ボールの持ち方や指からの離し方を工夫して、
わざわざ「ストレート」を投げるのだそうですよ。
*
楽器の演奏でも、これに似たことが言えます。
たとえば、音階で低音から高音へと旋律を上げて行くと、
自然に"Crescendo(次第に強く)"となりやすいし
反対の向きだと、"Decrescendo(次第に弱く)"が掛かる。
また、スラーやブレスで区切られた旋律では、
最後の方の音の長さが微妙に短くなりやすいなど、演奏の中で
無意識にアーティキュレーションしていることがあります。
楽譜を見ていると、予め作曲者が演奏者がそうなることを見越し、
上行では"Crescendo"、下降で"Decrescendo"と強弱記号を
指示している場合は良いのですが、中にはわざわざ反対向きの
強弱を演奏者に求めている場合があります。これが厄介なんです。
*
本当は、旋律の動きと強弱などの表情付けは別物なのに、
無意識のうちに「ナチュラル・カーブ」になっている。
いわば、演奏を自分でコントロールできていない部分なんです。
毎日の基礎・音階の同じ流れに色々な奏法や表情をつける意義は、
この「ストレート」を正確に投げることが出来るようにするため。
私も、必ず毎日やってます。
あなたも「基礎練習」で「音楽のコントロール」を学んでくださいね。
(ende.)