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小学生が校庭に畑を作って、自分たちで野菜を育てたら、
嫌いだった野菜も食べられるようになったという話をよく聞く。
もちろん、自分が育てたという愛着もあるでしょう。
自分たちで種をまき、苗を植えた野菜が、日に日に大きくなり、
ついにはよく知っている野菜の形を生み出していく過程を
目の当たりにして、初めて食べ物の持つパワーを実感する。
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食べること。そのことが大切なのはいうまでもない。
だけど、食べ物が育つ過程を見たり、調理することで
食べ物と触れ合ったりすることも、大事なことだと私は思うの。
そうすることで、食べ物への興味が生まれるし、
食べ物の力を感じることで、むやみに残したり、
雑に食べるなんていうことは出来なくなるはずでしょ。
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納豆ごはんにした茶碗のネバネバを落とすのは簡単ではないこと。
ナスのへたのとげは結構鋭いこと。生の唐辛子を触った指を
うっかり目に持っていくと激痛が走ること。
干からびたこはん粒は、とんでもなく硬くなること。
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どれもこれも知っている人にとっては、
当たり前すぎることかもしれない。
けれど、食べ物と触れ合っていない人には見当もつかない。
こんな小さな発見を、少しずつでも積み重ねていくことで、
食べ物との距離はグッと縮まる。
「むやみに残したり、雑に食べるなんてできないはずよね。」
朝食をしっかりと食べて、パワーをチャージしてくださいね。
今日も、よい一日になりますように。
(ende.)
