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私の場合、演奏をお客様に鑑賞していただくまでに
譜読みから始めて、自己練習、共演者さまとの音合わせ、
リハ、最終リハ(ゲネ・プロ)を経て、
最後に、本番の舞台の上で音楽は完成するものです。
たぶん、この流れは細かな違いはあっても、
芸に関わる全ての人に共通する作業工程だと思うんです。
公開リハという例外はあるけれど、未完成な状態を
お客様にお見せするのは、恥ずかしいことだと心得ています。
ところが、TVバラエティー等では、芸が完成するまでの過程を
ドキュメンタリー番組に整え、放送していることがあります。
たしかに、完成を目指して失敗を乗り越える間に流す汗と涙には
私も素直に感動を覚えます。
でも、それを作品として公開しちゃうのは、どうかと思うの。
それって、パン屋さんがパンを作るのに苦労しているみたいなもの。
本来、それがお仕事なんだから、どんなに難しいことでも、
見た目は、簡単そうにこなしてみせるところに値打ちがある。
それがプロというもの。そうじゃないかしら?
(ende.)