Ms.Violinistのひとりごと-シャイー ゲヴァントハウス CD
(2010年(平成22年)9月21日:毎日新聞(夕刊))
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ドイツ・ライプツィヒで、ゲヴァントハウス主催の
第14回メンデルスゾーン音楽祭が、
8月19日から9月10日まで開催された。
メンデルスゾーン生誕200年の昨年に続いて、
今年はシューマン生誕200年。
2人の作品に新たな光が当てられた。

ゲヴァントハウスは現存するドイツ最古の
民間交響楽団とされる。
メンデルスゾーンは、1835年から楽団を率いる
カペルマイスターとして多数の自作曲を初演。
シューマンの交響曲なども初演した。

8月の演奏会で現役カペルマイスターのシャイーは、
ベルリンで2004年に発見されたメンデルスゾーンの
序曲「静かな海と楽しい航海」の初稿版(1828年)を採用した。
研究者によると、初稿版による本格的な演奏は今回が初めて。
改訂版とは後半の展開が大きく違い、
10代のメンデルスゾーンの別の顔を浮かび上がらせた。

シューマンの交響曲1番「春」は、
作曲家マーラーが手を入れた版を採用。
東西ドイツ統一から20年を経て、
きらびやかな音色も備えるようになった。
ゲヴァントハウスの持ち味が、よく引き出された演奏。
(ende.)

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