
(2010年(平成22年)8月27日:毎日新聞(朝刊))
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米映画の新作「ベスト・キッド」を見た。
1984年製作のヒット作のリメークで、
主人公の米国人少年がカンフーを中国人から学び、
心を通わす物語。
初作は日系米国人が空手の師匠だが、
原題はどちらも「カラテ・キッド」。
なぜ「カンフー・キッド」じゃないのか?
内閣府が8月16日発表した2010年4~6月期(速報値)の
国内総生産(GDP)が中国に逆転されたことと無関係でない。
リメークにあたり、中国の製作会社がベスト・キッドに
出資した。中国市場に合わせ、作品の舞台は米国から中国、
空手はカンフーヘと設定を変えたが、
初作への「オマージュから原題を残した」
(配給元のソニー・ピクチャーズ)。
1984年は日米貿易摩擦がピーク。
日本経済最強論の"Japan as Number One"が出た5年後だ。
現在の中国と重なる。

空手を教える日系米国人が戦時中、
強制収容所で妻子を亡くした場面があった。
米大統領が強制収容を公式謝罪するのは4年後。
市場でない隣人へのまなざしがあった。負け惜しみかな。
(ende.)