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お仕事の時こそ、送迎車に甘えている私ですが、
普段は、お気楽にバスと電車でお出かけしています。
基本的に人間が大好きな私は、こういう機会を使って
人間観察をして楽しんでいるのです。
けれども、先日、これって何だろう? と思う
シーンに遭遇したんです。
あなた様も一緒に考えてみてくださいませんか。
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私の向かいの席に親子連れが座っていました。
小学校低学年の息子さんとお母様の2人組。
でも、ずっと息子さんはゲーム、
お母様は携帯電話から目を離さない。
2人は私が降りる一つ手前の駅で、言葉もなく、
すっと立ち上がると下車して行きました。
私が見ていただけでも、降りるまでの30分間、
2人は一言も言葉を交わさなかった。
それどころか、親密な空気の中で交わされる
アイコンタクトすらなかったんです。

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私が小さい頃には、母達と一緒に電車に乗った時は、
車窓からの風景を眺めたいと駄々をこねて叱られたし、
同じコンパートメントの大人達が許してくれた時には、
母に「ちゃんとお礼を言いなさい」とたしなめられた。
そして、車窓の座席にちょこんと座ってからは、
流れゆく風景を眺めたり、駅名をたどたどしく読み違えては
周囲の大人の爆笑を買ったり、降りる時にはしっかりと
お辞儀をした私を誉めてもらえたりもした。
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これは私の思い出だけど、
今思えば、公共交通機関には親と子ども、
あるいはヒトとヒトとのマナーを学ぶ切っ掛けがあったし、
心の交流というものが、たしかに存在した気がする。
現代日本の電車内に漂う無関心の冷たい空気を
私は、時代や住んでた場所のせいかなと自問自答するけれど、
でも、やっぱりどこかが変だと思う。
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せっかくのお盆休みなのに、愉快じゃないお話をして
ごめんなさい。m(__)m
今日も、よい一日になりますように。
(ende.)
