ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

#
第42回「ヴァイオリンの張力」
ヴァイオリンは薄い木材で作られ、華奢な体つきをしています。
けれども、張られた弦により、驚くほどの力が掛かっているのです。
●弦の張力の強さ
ヴァイオリンで約20kg強、チェロの場合で50kg強、
5弦コントラバスなどでは、150kgもの張力がかかっています。
これらの張力は弦の種類によっても大きく異なります。
また、チューニングのピッチや楽器の大きさによっても
弦の張力は変わってきます。
●表板にかかる力
「張力」とは、弦が両端を引っ張る力です。
従って、駒が表板を押しつける力は
これよりも若干小さくなります。
この値は、おおよその目安として、
弦の張力の75%ほどと考えればよいでしょう。
●ヴァイオリン族の張力
コンサート・ピアノの弦の総張力は20tを越えるそうです。
これはヴァイオリン族とは比較になりませんが、
楽器の重さと張力とを比較すると意外な結果が出ます。
概算ですが、例えば20tの総張力のピアノは1tとします。
この場合は、1kgあたりの張力は20kgです。
一方、ヴァイオリンの場合には、その重さを0.5kgとすると、
20kg÷0.5kg=40という大きさになるのです。
つまり、1kgあたりの張力は40kgになります。
この結果から、ヴァイオリン族が、
いかに構造的に優れているかが分かっていただけると思います。
しかし、これだけの張力のかかっている楽器は、
よほど丁寧に扱わなければ壊れてしまって当然なのです。
楽器の取り扱いは、くれぐれも慎重になさってくださいね。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第42回) 「ヴァイオリンの張力」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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第42回「ヴァイオリンの張力」
ヴァイオリンは薄い木材で作られ、華奢な体つきをしています。
けれども、張られた弦により、驚くほどの力が掛かっているのです。
●弦の張力の強さ
ヴァイオリンで約20kg強、チェロの場合で50kg強、
5弦コントラバスなどでは、150kgもの張力がかかっています。
これらの張力は弦の種類によっても大きく異なります。
また、チューニングのピッチや楽器の大きさによっても
弦の張力は変わってきます。
●表板にかかる力
「張力」とは、弦が両端を引っ張る力です。
従って、駒が表板を押しつける力は
これよりも若干小さくなります。
この値は、おおよその目安として、
弦の張力の75%ほどと考えればよいでしょう。
●ヴァイオリン族の張力
コンサート・ピアノの弦の総張力は20tを越えるそうです。
これはヴァイオリン族とは比較になりませんが、
楽器の重さと張力とを比較すると意外な結果が出ます。
概算ですが、例えば20tの総張力のピアノは1tとします。
この場合は、1kgあたりの張力は20kgです。
一方、ヴァイオリンの場合には、その重さを0.5kgとすると、
20kg÷0.5kg=40という大きさになるのです。
つまり、1kgあたりの張力は40kgになります。
この結果から、ヴァイオリン族が、
いかに構造的に優れているかが分かっていただけると思います。
しかし、これだけの張力のかかっている楽器は、
よほど丁寧に扱わなければ壊れてしまって当然なのです。
楽器の取り扱いは、くれぐれも慎重になさってくださいね。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第42回) 「ヴァイオリンの張力」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."
