
(2010年(平成22年)7月16日(金):毎日新聞(夕方)より)
【アニメのしっぽ】「アルプスの少女ハイジ」
「ハイジ」の魅力って何でしょう? キャラクターはもちろん、
アルプスの風景の美しさにも目を奪われませんか。

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スイス観光ツアーの広告では、
「ハイジの世界を満喫」「ハイジの国でハイキング」など
アルプスにハイジのイメージを重ねて宣伝効果を狙っています。
実際、ヨハンナ・シュピリの原作小説が出版された1880年ごろ、
アルプスに初めてイギリスから団体旅行者がやってきました。
それまでアルプスは、醜くて危険な所と恐れられていました。

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しかし、ヨーロッパの都市で工業化が進むと、
アルプスは人々の心と体を癒やす場所として見直され
牧歌的な理想郷のイメージが広まったのです。
ハイジが都会から山に戻った途端に病気が治り、
クララが再び歩けるようになるエピソードは、
当時のアルプス観を端的に表しています。

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ところで、スイスではどんなアニメが作られているのでしょう?
「ピングー」というペンギンが主人公の粘土アニメは
日本でも知られていますね。
しかし、スイスをはじめヨーロッパのアニメは、
日本やアメリカの作品に比べあまり見る機会がありません。

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広島国際アニメーションフェススティバルが、
8月7~11日、広島市で開催されます。
世界4大アニメーション映画祭のひとつで、ヨーロッパや
アジアなど世界中からさまざまな作品がやってきます。
会場ではアニメ制作者と話せるチャンスも。
2年に1度のこのお祭り、
ぜひ家族や友達同士で参加してくださいね。
(ende.)
