「ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』」の秘密(その2)」
ベートーヴェンは、この『皇帝』で楽曲構成的にも
新たな試みを行っています。
その斬新な手法とは何でしょうか。
次の中から選んでください。

(1)第2楽章と第3楽章が繋がっている
(2)交響曲のような管弦楽を主体とした4楽章構成になっている
(3)第2楽章にスケルツォがある
(4)第3楽章にトルコ風の行進曲部分がある
$Ms.Violinistのひとりごと-ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』CD3
















それは
(1)「第2楽章と第3楽章が繋がっている」でした。
第2楽章の最後で次の第3楽章の主題を変ホ長調で予告し、
アタッカ(attaca il Rondo)「休まずに続けて、ロンド楽章に入る」の
指示を設け、第3楽章になだれ込む手法をとっています。
また、第3楽章の再現部の前で第2楽章の上記のフレーズを出現させ、
第2楽章と第3楽章との一体感を出しています。
これは、『皇帝』よりも先に作曲された「交響曲第6番」や
「交響曲第5番」でも試みられ、『皇帝』にそれらの結実が
みられると言ってよいでしょう。

(2)「交響曲のような管弦楽を主体とした4楽章構成になっている」は、
ブラームスの「ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83」が有名です。
第3楽章にスケルツォを備えた4楽章からなり、管弦楽の扱いも厚く、
「ピアノ独奏を伴う交響曲」とも呼ばれています。
演奏時間は約50分です。
この曲も、『皇帝』と同じくカデンツァを許していません。

(4)「第3楽章にトルコ風の行進曲部分がある」は、
W.A.モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219」
です。「トルコ風」という標題がついています。
$Ms.Violinistのひとりごと-ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』CD4
















(Ende.オーケストラの舞台裏
 …名曲のナイショ話(第7夜) July 11, 2010)
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