今回は、再録リクエストの多かった
(第19回)「ケース」を
再度Upさせていただきますね。
--

ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。

楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。

上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。

ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

$Ms.Violinistのひとりごと-ケース(角形・丸形)












#
第19回「ケース」
●"「ケース」について"
ケースには大きく分けて、
「丸型ケース」と「角型ケース」の2種類があります。

$Ms.Violinistのひとりごと-丸形ケース中身












#
丸型ケースのメリットといえば、
小柄で軽く、そして低価格です。
デメリットは、メリットがそのまま弱点に置き換わります。
つまり小柄で軽いので、外部の衝撃が楽器にダメージを
与えやすいこと、楽譜や小物の収納部が小さいことです。
しかし、軽量で場所をとらないというのは、
大きなメリットでもあるので、プロでも好んで
"良質な"丸型タイプのケースを愛用している例があります。

$Ms.Violinistのひとりごと-角形ケース中身
#
角型ケースのメリットは、
外部の衝撃が楽器に伝わりにくい。
A4サイズの楽譜も収納でき、小物入れも大きく
肩当てなども収納することができます。

#
ケースの材質は、
紙や化学材料などが主ですが、近年では軽量で
断熱性に優れたハードフォームも使われています。
また、軽量でコンパクト、また耐久性や気密性に優れる
カーボンやファイバー製ケースが注目されています。
頑丈で耐熱、吸湿性にも優れる木製のケースもあります。

四季を通じて寒暖を伴って大きく変化する湿度対策に
モイスレガートを入れることをお奨めします。
ただ、そのまま置いただけですと、ケースを動かすたびに
ケースの中で動いてしまい、事故の原因になります。
ネックの下部分にマジックテープで固定しましょう。

ケースにも様々な価格帯のものがあります。
高額なものほど楽器のことをよく考えて作られています。
例えば、ケースの内枠を楽器の外枠の形にくり抜いて、
楽器をしっかりとホールドし、落下などの衝撃時に、
外部から加わった力が分散され、楽器の破損を防いてくれます。
また、内装の布地も良質なものが厳選されて使われており、
ニスに布の跡が付いてしまうトラブルも少なく、
気密性にも優れ、雨や湿気の浸入を防ぐ効果もあります。
できるだけ良いケースを使用されることをおすすめします


●"「ケース」の取り扱いについて"
楽器を入れたときに隙間が大きくできる場合は、
その隙間に布などを敷いて埋めるようにしてください。
楽器と弓の間にブランケットを敷くことも、
移動中に弓が固定部から外れた時に、楽器を打ちつけて
傷付けないためには有効です。
直射日光を避けるのはもちろんですが、
夏場に暑くなる車内に置く場合も十分ご注意ください。

#
楽器をケースから出し入れするときには、
弦や指板を引っ張らずに、
ネックを持つように習慣つけましょう。

#
これは、普段からのことですが、
休憩時間などのちょっとした時間でも、
特にその場を離れる際にはヴァイオリンを
椅子等の上に放置したり壁に立て掛けたりしないで、
ケースに入れるようにしてください。
身体を引っかけて楽器を床に落下させたり、
まさかとお思いでしょうが、誤って楽器を置いた椅子に
座ってしまうようなことが起きないでもないのです。
事故が起こってからでは取り返しがつきません。

#
持ち運びの際に、ケースのストラップを肩に掛けて
使われる方も多いと思います。
めったに起きない事故ではありますが、
ストラップの金具が破損したりして、
ケースごと落としてしまうことがあります。
万が一ヴァイオリンが破損しても、
ケース会社は、その損害を補償してはくれません。
ケースを持つ前には、手でストラップを引っ張って、
金具の状態を確認してから持つようにしてください。
とにかく、あなたの大切なヴァイオリンをご自身の
不注意で痛めてしまうことがないように普段から
良い習慣として身につけてくださいませ。


皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。

(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
 (第19回) 「ケース」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

人気ブログランキングへ