ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

#
第32回「松ヤニの乗り具合の差とは?」
●"毛替え後、松ヤニの塗りやすい毛と塗りにくい毛がある。"
楽器工房で弓の毛替え済ませて、初めて松ヤニを塗る時に、
「おや? 今回は松ヤニの付きが悪いなぁ…」と
お感じになられたご経験はありませんか。
あれは、塗っている時の気分の差ではないのですよ。
毛替えで新調された毛に原因があるのです。
今回は、気づかなければ、そのままになりそうな
微妙なところのお話をさせていただきます。
#
「馬毛は「リンス」されている!」
あなたは、ご自分の髪をシャンプー&リンスされますよね?
(あっ、コンデショナーも使っています?)
じつは、馬毛も、製品になる段階でリンスされているのです。
馬毛は、私たちの髪の毛と同じで、
乾燥や摩耗によってかなり傷みます。
簡単に毛が絡まったり、枝毛になったりしまいます。
それを防止するために、馬毛に油分を付けるのです。
これは、人間の「リンス」と同じ役割を果たしているのです。
こうすると、良い状態を長く保つことができます。
#
新調された毛の「松ヤニの乗り具合の差」というのは、
馬毛に施されているリンスの差によって起こっているのです。
油分が残っている毛の場合、松ヤニが乗りにくいです。
本来なら毛替えの前に、
きちんと油分を取り去らなければならないのですが、
一度付いた油分は、完全に取り去ることが難しいのです。
なので、油分が残ったまま馬毛が張られた時には、
毛替え後に松ヤニを塗ろうとしても、滑ってしまい、
うまく塗ることが出来ないのはこういう場合です。
一方、油分が完全に取り除かれた馬毛では、
松ヤニは簡単に塗ることができるはずです。
#
「松ヤニの上手な塗り方のコツ」
油分の残った馬毛でも、
一度松ヤニが毛にまんべんなく付着すると、
弦との摩擦力に不都合は生じないはずです。
従って、あまり神経過敏になる必要はないと思います。
一番最初の松ヤニ塗りがきちんと行われればよいのです。
最初の松ヤニ塗り作業の時に、
滑って塗りにくい毛の場合、ムキになって(←苦笑)
松ヤニを強く擦り付けてしまいがちです。
しかし、これは逆効果なのです。
松ヤニを強く、速く擦り付けると、
松ヤニの表面は摩擦熱によって溶けて
ピカピカになってしまいます。
これではますます摩擦が少なくなり、
松ヤニは塗りにくくなるのです。
まさに「悪循環」です。
松ヤニが塗りにくい時こそ、
冷静にゆっくりと松ヤニを擦り付けるべきなのです。
「急がば回れ」のコトバ通りですよ。
冷静に、なさってくださいませ。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第32回) 「松ヤニの乗り具合の差とは?」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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第32回「松ヤニの乗り具合の差とは?」
●"毛替え後、松ヤニの塗りやすい毛と塗りにくい毛がある。"
楽器工房で弓の毛替え済ませて、初めて松ヤニを塗る時に、
「おや? 今回は松ヤニの付きが悪いなぁ…」と
お感じになられたご経験はありませんか。
あれは、塗っている時の気分の差ではないのですよ。
毛替えで新調された毛に原因があるのです。
今回は、気づかなければ、そのままになりそうな
微妙なところのお話をさせていただきます。
#
「馬毛は「リンス」されている!」
あなたは、ご自分の髪をシャンプー&リンスされますよね?
(あっ、コンデショナーも使っています?)
じつは、馬毛も、製品になる段階でリンスされているのです。
馬毛は、私たちの髪の毛と同じで、
乾燥や摩耗によってかなり傷みます。
簡単に毛が絡まったり、枝毛になったりしまいます。
それを防止するために、馬毛に油分を付けるのです。
これは、人間の「リンス」と同じ役割を果たしているのです。
こうすると、良い状態を長く保つことができます。
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新調された毛の「松ヤニの乗り具合の差」というのは、
馬毛に施されているリンスの差によって起こっているのです。
油分が残っている毛の場合、松ヤニが乗りにくいです。
本来なら毛替えの前に、
きちんと油分を取り去らなければならないのですが、
一度付いた油分は、完全に取り去ることが難しいのです。
なので、油分が残ったまま馬毛が張られた時には、
毛替え後に松ヤニを塗ろうとしても、滑ってしまい、
うまく塗ることが出来ないのはこういう場合です。
一方、油分が完全に取り除かれた馬毛では、
松ヤニは簡単に塗ることができるはずです。
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「松ヤニの上手な塗り方のコツ」
油分の残った馬毛でも、
一度松ヤニが毛にまんべんなく付着すると、
弦との摩擦力に不都合は生じないはずです。
従って、あまり神経過敏になる必要はないと思います。
一番最初の松ヤニ塗りがきちんと行われればよいのです。
最初の松ヤニ塗り作業の時に、
滑って塗りにくい毛の場合、ムキになって(←苦笑)
松ヤニを強く擦り付けてしまいがちです。
しかし、これは逆効果なのです。
松ヤニを強く、速く擦り付けると、
松ヤニの表面は摩擦熱によって溶けて
ピカピカになってしまいます。
これではますます摩擦が少なくなり、
松ヤニは塗りにくくなるのです。
まさに「悪循環」です。
松ヤニが塗りにくい時こそ、
冷静にゆっくりと松ヤニを擦り付けるべきなのです。
「急がば回れ」のコトバ通りですよ。
冷静に、なさってくださいませ。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第32回) 「松ヤニの乗り具合の差とは?」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."
