ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

#
第31回「良い楽器は軽い?」
●"「軽い」とは、何を意味しているのか。"
軽い楽器=良い楽器と、単純に考えるのは間違いです。
けっして重くはないけれども、
「軽いなりに適度な強度を備えたバランスを持っている。」
とお考えください。バランスが大切なのです。
では「軽い」とは、何を意味しているのでしょう。
今回は、楽器と軽さの関係から、
「良い楽器とは?」へ迫って行きたいと思います。
#
「軽さ」とは
弦楽器の殆どを占める胴体。音響的に眺めると「振動体」です。
弓の毛で擦られた弦の振動が、駒から表板、魂柱、裏板、
そして、胴体全体を振動させ、最後には中の空気を振るわせて
音を発するのです。
振動体は、軽いほど、より大きな音を出すことができます。
従って弦楽器は、軽い方が大きな音、張りのある高倍音、
発音特性に優れていると言えます。
#
「軽さ」と「強度」
この2つは互いに反対の意味を持っています。
弦楽器にかかる弦の張力は大きいものです。
弦楽器は軽さを求める反面で、構造的な強度も必要とします。
軽さだけを求め強度的に弱い楽器は、
将来的には、楽器が傷んでしまい、
その音も劣化してしまうことは明らかです。
表板の駒が乗っている部分が落ちくぼんだり、
魂柱の立っている部分が、魂柱に押されて変形したりします。
経年変化等の原因で起こる「板の割れ」よりも、
「変形」の方が楽器の健康状態としては深刻です。
#
「良質な新作楽器」
良質な新作楽器の場合、
響板は必要最低限の厚みに丁寧に削られます。
指板の裏側やテールピースの裏側、アゴ当ての裏側等の
目立たない部分も、強度が落ちない範囲で
必要最低限の厚みになるまで削られるのです。
このようにして作られた楽器は、決して持ち重りがしません。
強度的にも、十分な強さがあります。
#
「中級以下の量産楽器」
中級以下の量産楽器の場合、
その製作工程は、最初に機械で荒削りを行い、
その後、職人の手によって加工されます。
安い楽器になればなるほど、加工作業に時間を
費やすことができないのです。
このグレードでは時間をかけた製作はできません。
職人の手作業が関わる工程の割合が少ないので、
手による「ギリギリまでの削り作業」はできないのです。
ある程度まで削った時点で、良しとしてしまいます。
なので、中級以下の量産楽器は板が厚く、
重い楽器に仕上がります。
#
「古い楽器の軽さ」
古い楽器には軽いものが多いです。
音も、発音特性の良い、古い楽器ならでは響きがします。
しかし古い楽器の「軽さ」の場合、
別の要因も含まれていますので注意です。
それは古くなることによって、
"木材の重さ自体が軽くなるということ"、あるいは
"長年の修理によって、板自体が薄くなっている。"
ということです。
"長年の修理によって、板自体が薄くなっている。"
これが問題なのです。
ひどい物になると、響板が歪んでいたり、
または薄すぎることによって、
音に張りがなくなってしまった楽器も多いものです。
古い楽器の場合には軽いものがほとんどなのですが、
その軽さを単純に性能の良さと勘違いすべきではありません。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第31回) 「良い楽器は軽い?」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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第31回「良い楽器は軽い?」
●"「軽い」とは、何を意味しているのか。"
軽い楽器=良い楽器と、単純に考えるのは間違いです。
けっして重くはないけれども、
「軽いなりに適度な強度を備えたバランスを持っている。」
とお考えください。バランスが大切なのです。
では「軽い」とは、何を意味しているのでしょう。
今回は、楽器と軽さの関係から、
「良い楽器とは?」へ迫って行きたいと思います。
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「軽さ」とは
弦楽器の殆どを占める胴体。音響的に眺めると「振動体」です。
弓の毛で擦られた弦の振動が、駒から表板、魂柱、裏板、
そして、胴体全体を振動させ、最後には中の空気を振るわせて
音を発するのです。
振動体は、軽いほど、より大きな音を出すことができます。
従って弦楽器は、軽い方が大きな音、張りのある高倍音、
発音特性に優れていると言えます。
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「軽さ」と「強度」
この2つは互いに反対の意味を持っています。
弦楽器にかかる弦の張力は大きいものです。
弦楽器は軽さを求める反面で、構造的な強度も必要とします。
軽さだけを求め強度的に弱い楽器は、
将来的には、楽器が傷んでしまい、
その音も劣化してしまうことは明らかです。
表板の駒が乗っている部分が落ちくぼんだり、
魂柱の立っている部分が、魂柱に押されて変形したりします。
経年変化等の原因で起こる「板の割れ」よりも、
「変形」の方が楽器の健康状態としては深刻です。
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「良質な新作楽器」
良質な新作楽器の場合、
響板は必要最低限の厚みに丁寧に削られます。
指板の裏側やテールピースの裏側、アゴ当ての裏側等の
目立たない部分も、強度が落ちない範囲で
必要最低限の厚みになるまで削られるのです。
このようにして作られた楽器は、決して持ち重りがしません。
強度的にも、十分な強さがあります。
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「中級以下の量産楽器」
中級以下の量産楽器の場合、
その製作工程は、最初に機械で荒削りを行い、
その後、職人の手によって加工されます。
安い楽器になればなるほど、加工作業に時間を
費やすことができないのです。
このグレードでは時間をかけた製作はできません。
職人の手作業が関わる工程の割合が少ないので、
手による「ギリギリまでの削り作業」はできないのです。
ある程度まで削った時点で、良しとしてしまいます。
なので、中級以下の量産楽器は板が厚く、
重い楽器に仕上がります。
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「古い楽器の軽さ」
古い楽器には軽いものが多いです。
音も、発音特性の良い、古い楽器ならでは響きがします。
しかし古い楽器の「軽さ」の場合、
別の要因も含まれていますので注意です。
それは古くなることによって、
"木材の重さ自体が軽くなるということ"、あるいは
"長年の修理によって、板自体が薄くなっている。"
ということです。
"長年の修理によって、板自体が薄くなっている。"
これが問題なのです。
ひどい物になると、響板が歪んでいたり、
または薄すぎることによって、
音に張りがなくなってしまった楽器も多いものです。
古い楽器の場合には軽いものがほとんどなのですが、
その軽さを単純に性能の良さと勘違いすべきではありません。
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第31回) 「良い楽器は軽い?」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."