ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。

楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。

上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。

ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

$Ms.Violinistのひとりごと-指板1











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第24回「湿度対策」
●"楽器の湿度対策"
梅雨時など、湿度の高い所に楽器を長期間保管しておくと、
楽器のニカワの剥がれ、カビ、変形、金属のサビなどが
起きる場合があります。
特にカビは、一度発生させてしまうと、
何度取り去っても再び生えてくるので、
最初にカビが生えないようにすることが大切です。
楽器の防湿対策はいくつか考えられるのですが、
まずは一般的な方法をご紹介します。

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楽器にとって一番大切なことは、
楽器を頻繁に演奏することです。
その頻度は、1週間に1、2度も弾けば十分でしょう。
このような演奏によって、楽器内部の空気は入れ替わり、
極端な湿度の上昇を抑えることができます。
また、定期的な演奏は防湿の面からだけではなく、
楽器の虫食い、弦切れなどに対しても
大きな効果を与えます。
「定期的な演奏」こそが、
楽器保護における最も基本的で、大切な方法なのです。

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演奏が終わった後の「乾拭き」も重要です。
これをきちんと行うことによって、
演奏中に付いた汗と松ヤニをふき取ります。
「乾拭き」というと、大した効果がないように
思う方も多いのですが、毎回丁寧に拭き取れば、
楽器の汚れはほとんど付かないものです。
クリーニング剤、油などは使わなくても、
乾拭きだけでも楽器は汚れるものではありません。

$Ms.Violinistのひとりごと-角形ケース中身












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時折、楽器ケースの中に、乾燥剤を入れている方を
見かけます。しかし、これは殆どの場合、無意味です。
それどころか、楽器ケース内の重要なスペースを占有し、
悪影響にさえなる場合も多いのです。

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時々、中途半端な知識を得た人が、
楽器をケースから出して部屋の中に
吊して置いたりしていることがあります。
これは一見楽器のために良く思えますが、
とても危険です。
というのは、楽器は埃によって大きな影響を
受けてしまうからです。
埃は想像以上に湿気を吸ってしまい、楽器を痛めます。
これはニスへも悪影響を与えてしまうのです。

また、部屋の中には、油分、繊維くずも浮遊しています。
これらも、楽器には良くありません。
その他にも、室内の急激な環境の変化もあげられます。
空気が自由に循環しているということは、
逆に言えば、悪影響も受けやすいのです。

さらには、楽器をケースから出しておくことは、
不意の破壊という意味からも不安です。


皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。

(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
 (第24回) 「湿度対策」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

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