メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、
旋律が美しいので、楽曲構成のことを気にせずに
ついつい聴き逃しになりがちです。
でも、この曲にはメンデルスゾーンのさまざまな試みが
詰め込まれています。
主なものとして次の3つが上げられます。

 (1)全3楽章が繋がっている
 (2)メンデルスゾーンがカデンツァまで作曲している
 (3)第1楽章のカデンツァの位置がコーダの前にない

ちなみに、初演は1845年3月ライプツィヒにて、
ゲヴァントハウス管弦楽団定期演奏会で行われました。
F.ダーヴィトのソロヴァイオリン、
指揮はメンデルスゾーンが体調不良のため、
副指揮者N.ゲーゼが行ったと記録されています。
当初はメンデルスゾーンが指揮する予定でしたが、
体調を崩し、初演の際もフランクフルトの滞在先で寝返りさえ
できないほどに衰弱していたのです。死の3年前のことでした。

$Ms.Violinistのひとりごと-メンデルスゾーン Vn協奏曲 1movカデンツァ冒頭










さて、本題に入ることにいたしましょう。
(1)「全3楽章が繋がっている」は、
スコアをご覧いただくとすぐ理解していただけると思いますが、
「各楽章の終止記号すらない」んです。
二重線で楽章が変わることを表しているだけで、小節は連続です。
第1楽章と第2楽章の間は、第1ファゴットが音を伸ばしているし、
第2楽章と第3楽章の間は、「独奏ヴァイオリン自ら」が音を
伸ばしています。
メンデルスゾーンはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番で、
第2楽章と第3楽章で試みた楽章の有機的結合を発展拡大し
全曲を一繋がりの構造としたのです。
「ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番のあれは、
音を出しているのが管弦楽では2本ホルンだけで聴衆から丸見え。
12小節もオクターブのユニゾンを「pp(ごく弱く)」で
ずっと音を引っ張るって、あれはホルン奏者イジメだよねっ!!」

(2)「メンデルスゾーンがカデンツァまで作曲している」と、
(3)「第1楽章のカデンツァの位置がコーダの前にない」は、
カデンツァを作曲者が作曲し、演奏者によるカデンツァを
禁止したのも先のベートーヴェンのピアノ協奏曲の影響による
ものでしょう。つまり《曲の統一性》なのです。
カデンツァは、第1楽章の主題再現部の前にあります。
メンデルスゾーンのカデンツァの最後はアルペジオです。
独奏ヴァイオリンがアルペジオをせっせと弾いているところに
管弦楽が最初のホ短調の第1主題を奏でながら合流していくのです。
 
美しく艶やかな『約28分』は、独奏ヴァイオリンや管弦楽の
無休の努力の賜物なんですね。

『約28分間。優雅に進む白鳥の水中の必死のバタ足』

「ええっー!! と言うことは、独奏ヴァイオリンは、
 全3楽章を休みなしで弾けと?(泣)」

$Ms.Violinistのひとりごと-メンデルスゾーン Vn協奏曲 1movカデンツァ冒頭











(Ende.メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64(第2夜))
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