さて、サラサーテと同時代人だったブラームスは、
『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77』を作曲しています。
サラサーテの演奏に強い刺激を受けてのことと史実には、
伝えられています。

ただし、刺激を受けたと言っても、反面教師的な事をブラームスは、
感じていたようです。
ブラームスの友人へ宛てた書簡には、
1877年9月に温泉地の『バーデン・バーデン(*注1)』で
《ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番》をサラサーテが演奏するのを
聴き、その演奏に強い感銘を受けたことと同時に、
作品が技巧の披露の他には、何ら内容なく希薄であり、自分としては、
より交響的な幅広い色彩感と、独奏ヴァイオリンの技巧を兼ね備えた
新しい形のヴァイオリンのための協奏曲を書いてみたいと記されて
います。
当時のヴァイオリン協奏曲は、パガニーニらのイタリア系(*注2)の
技巧を追求し、管弦楽は主題提示とトゥッティの他は、
独奏ヴァイオリンの伴奏に終始し、管弦楽本来の様々な楽器による
美しい響きや、独奏ヴァイオリンとの掛け合いなどは全くと言って
よいほど、おざなりにされる傾向にありました。
何処かのマエストロが『子どもにはアダージョが弾けない』と
言って、おりましたが、それには続きがあって
『機械的な技巧なら出来るのだがね。』というものです。
ブラームスも、そーいうところに思い至ったのでしょうね。
「私もアダージョが情感豊かに奏でられるよう、日々精進いたします」。
(注1):
バーデンバーデンは、ドイツ語で「お風呂・お風呂」の意味。
つまり温泉のこと。ドイツの温泉は、日本のように湯温は高くなく
ぬるま湯か、ほとんど水かなと思うほどの温度のところが大半。
また、温泉の利用法で、日本とドイツとでは、大きな違いが
2つあります。
ひとつは、温泉は浸かって暖まるものじゃなくて、みんなで
ガブガブと飲むのです。
20度前後なので、温泉に浸かっていると風邪をひきます。
もうひとつ、これは絶対に守ってくださいね。大騒ぎになるから。
「温泉では必ず水着を着用!!」(絶対にっ!!)
(注2):
イタリア系のヴァイオリン流派は、パガニーニからナポリ派の
《悪魔のトリル》で有名なタルティーニやヴィヴァルディ、
そして、コレルリまで遡れます。イタリア300年の歴史ですよ。

(Ende.サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』作品20(第2夜))
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77』を作曲しています。
サラサーテの演奏に強い刺激を受けてのことと史実には、
伝えられています。

ただし、刺激を受けたと言っても、反面教師的な事をブラームスは、
感じていたようです。
ブラームスの友人へ宛てた書簡には、
1877年9月に温泉地の『バーデン・バーデン(*注1)』で
《ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番》をサラサーテが演奏するのを
聴き、その演奏に強い感銘を受けたことと同時に、
作品が技巧の披露の他には、何ら内容なく希薄であり、自分としては、
より交響的な幅広い色彩感と、独奏ヴァイオリンの技巧を兼ね備えた
新しい形のヴァイオリンのための協奏曲を書いてみたいと記されて
います。
当時のヴァイオリン協奏曲は、パガニーニらのイタリア系(*注2)の
技巧を追求し、管弦楽は主題提示とトゥッティの他は、
独奏ヴァイオリンの伴奏に終始し、管弦楽本来の様々な楽器による
美しい響きや、独奏ヴァイオリンとの掛け合いなどは全くと言って
よいほど、おざなりにされる傾向にありました。
何処かのマエストロが『子どもにはアダージョが弾けない』と
言って、おりましたが、それには続きがあって
『機械的な技巧なら出来るのだがね。』というものです。
ブラームスも、そーいうところに思い至ったのでしょうね。
「私もアダージョが情感豊かに奏でられるよう、日々精進いたします」。
(注1):
バーデンバーデンは、ドイツ語で「お風呂・お風呂」の意味。
つまり温泉のこと。ドイツの温泉は、日本のように湯温は高くなく
ぬるま湯か、ほとんど水かなと思うほどの温度のところが大半。
また、温泉の利用法で、日本とドイツとでは、大きな違いが
2つあります。
ひとつは、温泉は浸かって暖まるものじゃなくて、みんなで
ガブガブと飲むのです。
20度前後なので、温泉に浸かっていると風邪をひきます。
もうひとつ、これは絶対に守ってくださいね。大騒ぎになるから。
「温泉では必ず水着を着用!!」(絶対にっ!!)
(注2):
イタリア系のヴァイオリン流派は、パガニーニからナポリ派の
《悪魔のトリル》で有名なタルティーニやヴィヴァルディ、
そして、コレルリまで遡れます。イタリア300年の歴史ですよ。

(Ende.サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』作品20(第2夜))
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."
