皆様、ごきげんいかがですか。
私もVnのリペアやグッズで大変にお世話になっている
アルチザンハウス(東京・品川)の工房がある
"アルチザンハウス神戸"の職人さんとの談話や
トピックスを中心に更新してまいります
"(公認)アルチザンハウスKobe日記"の最新号(2010年5月2日号)が
届きましたので、さっそくUPさせていただきます。

ナビゲーターは、神戸の在住の親友"Ms.Composer."です。
乞うご期待ください。
さて、今回は、どんな話題で盛り上がったのでしょうか。
それでは、《(公認)アルチザンハウスKobe日記》を
ごゆるりとお楽しみくださいませ。
by Ms.Violinist.


☆”
ごきげんよう! 私は"Ms.Composer."と申します。
今回もわたくしめのコラムにお付き合いください。
よろしくお願いします。

今回、第10回は
「弾き込むことで、音が良くなりますか?」
というテーマで進めてまいります。

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザンハウスKobe正面












#
(Ms.Composer)からの質問:
「弾き込むことで、音が良くなりますか?」

#
(職人さんの答え):
「「楽器を弾き込む」には、2つの意味があります。
まずは、「短時間での弾き込み」で、「ウォーミングアップ」のこと。
そして「もう少し長い期間においての弾き込み」です。
これは数年から数十年間における楽器の音質の変化です。」

$Ms.Violinistのひとりごと-応接間

#
(Ms.Composer)からの質問:
「では、ウォーミングアップと音質の関係からお話ください。」

#
(職人さんの答え):
「ウォーミングアップと音質との関係を、
直接要因と間接要因に分けて考えます。」

●直接的な要因
 微細に点に注目すると、楽器には
 構造的な「ガタ」があります。
 この部分の振動が高倍音成分に影響するのです。
 従って、最初に弾き込むことによって
 この部分の構造的強度に、わずかな変化が生じ、
 音質に影響が現れるのです。
 また、弾き込むことによって弦の張力が
 安定することも考えられます。
 保管している楽器の弦の張力は、刻々と変化しています。
 従って、ウォーミングアップによって、
 弦や楽器にたまった歪みを出し切り、
 安定した状態にすることができるのです。
 特にガット弦の場合には湿度に対して敏感なために、
 ウォーミングアップすることによって、
 弦を環境に適応させる事はとても重要なことです。

●間接的な要因
 ウォーミングアップと音質の関係を考える上で、
 私は、楽器の直接的な音質の変化よりも、
 演奏者側の変化の方が効果が大きいと考えます。
 ほんのわずか練習=ウォーミングアップで
 演奏者の身体が暖まったり、リラックスするのは
 十分に考えられます。
 当然、より良い演奏が可能となります。
 それがあたかも楽器の方が良く鳴り出したように
 思えてくるのです。
 もちろん、演奏技術が増すわけなので、
 事実、良い音も出るのです。
 自分の耳が楽器に慣れる効果も大きいと思います。
 例えば、少々高鳴りする楽器の場合、
 弾き始めには、それに対して違和感を感じます。
 しかし、演奏を続けて慣れることによって、
 その違和感が無くなってくるのです。
 「楽器の音が馴染んできた」と感じるのです。
 ウォーミングアップをした前後の楽器の音を
 測定してみると、実際に自分が感じる変化よりも
 はるかに小さいという事からも
 想像できることなのです。」 

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン・展示楽器












#
(Ms.Composer)からの質問:
「もう少し長い期間においての弾き込みとは?」

#
(職人さんの答え):
「正しい音程で楽器を振動させるということは、
 先ほど述べましたように、
 楽器の構造的強度に微妙な変化を与えます。
 従って音色が変わることは不思議な現象ではありません。
 純粋な意味での弾き込みによる効果の他に、
 長期間楽器を演奏することによって、
 実際に音が良くなる要素は存在します。
 その一つは、演奏技術が向上することです。
 知らず知らずの内に演奏技術が向上することによって、
 楽器が良く鳴るようになったと錯覚するのです。
 次にあげられるのは、楽器の機械的構造の変化と、
 木材の音響性能の変化です。
 これらの効果がプラスの側に働いた場合には、
 楽器の音は向上します。」


$Ms.Violinistのひとりごと-チラシ色々












#
(Ms.Composer)からの質問:
「お話を総括してください。」

#
(職人さんの答え):
「楽器を弾き込むことによって、
 楽器の音は確かに変化します。
 しかし、日々、楽器と接する中で大切なのは、
 演奏者側のウォーミングアップと、特にガット弦を
 環境に慣れされるということなのです。」

以上。


#
ご褒美にちょっと、自己主張を書かせてもらえますので、
この場を借りまして一言。(面倒だから、いつも同じですが。)
「現代音楽を聴きましょう。特に邦人作品を。
 すばらしい試みが、あなたのおいでをお待ちしています!」
 ありがとう!

By "Ms.Composer." Special Thanks for "Ms.Violinist"


(Ende.(公認)アルチザンハウスKobe日記 2010年5月2日号)
The author is "Ms.Composer."
The verification is "Ms.Composer.


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