皆様、ごきげんいかがですか。
私もVnのリペアやグッズで大変にお世話になっている
アルチザンハウス(東京・品川)の工房がある
"アルチザンハウス神戸"の職人さんとの談話や
トピックスを中心に更新してまいります
"(公認)アルチザンハウスKobe日記"の最新号(2010年4月18日号)が
届きましたので、さっそくUPさせていただきます。

ナビゲーターは、神戸の在住の親友"Ms.Composer."です。
乞うご期待ください。
さて、今回は、どんな話題で盛り上がったのでしょうか。
それでは、《(公認)アルチザンハウスKobe日記》を
ごゆるりとお楽しみくださいませ。
by Ms.Violinist.


☆”
ごきげんよう! 私は"Ms.Composer."と申します。
今回もわたくしめのコラムにお付き合いください。
よろしくお願いします。

今回、第8回は
「極端に廉価なセット販売のヴァイオリンは使えるか」
というテーマで進めてまいります。

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザンハウスKobe正面












#
(Ms.Composer)からの質問:
「通信販売などで、ヴァイオリン本体に弓やケース、
 松ヤニなどを一式揃えた「セット」で
 極端に廉価なものがありますが、
 はたして使えるのでしょうか?」

#
(職人さんの答え):
「最近はこのような「セット」を
 通信販売や楽器の量販店で
 見かけることも多くなってきました。
 そして、その価格を見て、
 「これならば自分もヴァイオリンを習える」と、
 購入を考えている人も多いのではないでしょうか?
 しかし、率直な意見を申し上げますと、
 この価格帯のヴァイオリンは
 「楽器」とは呼べないものです。」


$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザンハウス壁 Vnたわわ












#
(Ms.Composer)からの質問:
「『「楽器」とは呼べない。』とは、どういう意味ですか?」

#
(職人さんの答え):
「前もって言っておきますが、
 安価な「セット」に関して、
 私は頭から否定するつもりはありません。
 しかし、現実的な問題として、
 極端に安価な「セット」に含まれるヴァイオリンは、
 「楽器」とは言えない品質なのです。
 注目していただきたいのは、
 「楽器」と「楽器の形をしただけの物」が
 あるという事実です。」

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン・作業台 右側近影












#
(Ms.Composer)からの質問:
「「楽器」と「楽器の形をしただけの物」の
 違いとは何でしょうか?」

#
(職人さんの答え):
「具体的に言えば、
「楽器」とは
 演奏(後日の修理、調整を含む)をするために、
 必要な品質の材料を使い、
 そして演奏を続けることが可能な製作方法で
 作っている物です。
 簡単にいえば、その「楽器」が
 後日の修理や調整が可能なものです。
 もちろん、楽器のランクによって
 ある程度の幅はありますが、
 それでも修理や調整は可能です。

 一方、「楽器の形をしただけの物」とは、
 後日の修理や調整が全く利かないのです。
 なぜならば、使用している材料からして
 初めから修理や調整のことなどは
 考えられて作られていないからです。
 また、製作方法も同様です。
 このような楽器を修理、調整しようとすると、
 大幅な部品交換が必要になったり、
 または大規模な修理(改造)が必要に
 なってしまいます。
 当然ながら、その代金も膨大なものになります。」

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン・作業台横近影












#
(Ms.Composer)からの質問:
「なるほど…。結局は、極端に廉価な「セット」では、
 後々になって、修理などで大幅な出費を強いられると?」

#
(職人さんの答え):
「ええ。それもあります。
 しかし、もっと重要なことは、
 "楽器として求められている性能の限界が早くに来る。"
 "演奏している方が、不満を持たれる"という点です。
 「楽器の形をしただけの物」には、使用していく内に、
 楽器としての性能の問題が出てきます。
 楽器を習い始める前の全くの初心者の時には、
 "音が出ればよい"と思って購入したものであっても、
 ほんの少し上達しただけで"各弦間の幅が違う"とか、
 "糸巻きが緩んでしまう"、"音をもう少し良くしたい"等、
 何らかの調整を楽器に求めるものです。
 この時に「楽器」ならばそれが可能なのですが、
 「楽器の形をしただけの物」ですと、
 我々のようなリペアする者には、
 正直言って手に負えないのです。
 それならば、非常に膨大な修理(改造)代金を払って
 その楽器を修理するかというと、
 それは現実的ではありませんので
 そのようなことをする人は皆無です。

 逆に、初期状態のまま使い続ければよいかというと、
 それも我慢し続けるのは限度があります。
 というもの、演奏の技術自体は向上しているので、
 楽器への不満点は日に日に大きくなってしまうからです。
 その上に、楽器自体も初期状態よりも
 さらに状態が悪化していくからです。
 すなわち、安いからといって
 極端に廉価な「セット」を購入したとしても、
 結局はその代金が無駄になってしまう可能性が
 極めて高いのです。
 このような「楽器の形をしただけの物」を
 "初心者が見分けられるわけがありません。"
 従って、このような物を平然と売っている
 楽器店のモラルを私は疑ってしまいます。」

$Ms.Violinistのひとりごと-応接間












#
(Ms.Composer)からの質問:
「では、どの程度の価格帯のものを選べば、
 よいのでしょうか?」

#
(職人さんの答え):
「これは難しいです。
 ただ、はっきり言えるのは、たとえ初心者の方でも、
 極端な廉価の「セット」は避けるべきです。
 大ざっな話しとしては最低でも、
 「10万円以上」と考えればよいでしょうか。
 楽器に愛着を持って少しでも長くお使いになりたいと
 思われる志がおありの方は、「20万円以上」の
 価格帯のものを目指していただきたい。
 弦楽器とはお金のかかるものとご理解ください。
 しかし、そのくらいのものを購入した方が、
 後々安上がりなことは間違いありません。
 しかし、申し添えておきますが、
 上記の金額以上の楽器を買えば
 それで良いのかといえば、そんな単純な話では
 ありませんので注意してください。
 「価格」は1つの目安でしかないのです。」 

以上。


#
ご褒美にちょっと、自己主張を書かせてもらえますので、
この場を借りまして一言。(面倒だから、いつも同じですが。)
「現代音楽を聴きましょう。特に邦人作品を。
 すばらしい試みが、あなたのおいでをお待ちしています!」
 ありがとう!

By "Ms.Composer." Special Thanks for "Ms.Violinist"


(Ende.(公認)アルチザンハウスKobe日記 2010年4月18日号)
The author is "Ms.Composer."
The verification is "Ms.Composer.


人気ブログランキングへ