ヴァイオリンを奏でられる皆様は、楽器の健康状態について、
ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

#
第15回「指板について」
●"「指板」とは"
弦が擦り付けられる指板には、
堅く耐久性のあるエボニー材が
主に使われています。
しかし長年のうちに、
弦を擦り付けることによって、
次第に指板表面が荒れて
デコボコになります。
荒れた指板では、弦を押さえにくく、
音程がずれたり、雑音が出やすくなります。
このような状態の指板は、
表面を滑らかに削り取る修理が必要です。
#
指板は、まっすぐ直線ではなく、
滑らかな反りが付けられています。
この反りがあることにより、
弦が指板にぶつかりにくくなり、
弦高を低くすることが可能になるのです。
●"「指板下がり」について"
「指板下がり」になると、
ハイポジションが押さえにくくなります。
これには、主に3つの原因があります。
#
第一の原因は、
弦の張力によるものです。
ヴァイオリンには、弦の張力によって
大きな力が常に掛かっています。
そのため、次第にネックが起き上がり、
指板が下がっていきます。
#
第二の原因は、
気候の変化によるものです。
一年を通して温度湿度の変化の大きい
日本の気候条件は、ヴァイオリンにとっては、
ヨーロッパのそれよりずっと過酷です。
夏と冬では、温度湿度とも外気の状態が異なり、
木材の形状が変化するのです。
温度と湿度が高いとニカワが緩み、
木材も膨張して、指板が下がる原因になります。
#
第三の原因は、
木材形状の落ち着きによるものです。
先も言いましたが、
ヴァイオリンには、常に弦の張力による
強い力が掛かっています。
それにより木材の形状が次第に変化し、
ある時点で落ち着きます。
#
次第に指板が下がることは、
避けられないことでもありますが、
下がった場合には、
駒を再調整したり、低い駒に交換します。
できれば、年に2回は、
ヴァイオリンを楽器工房に持ち込んで、
楽器の定期検診を受けるようにしましょう。
「いつも一緒のヴァイオリンさま。
愛情を注いであげてください。」
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第15回) 「指板について」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

ちゃんと関心を持たれていらっしゃいますか。
楽器の健康管理(メンテナンス)は、毎日の基礎練習と共に
皆様が日々、ご自分の楽器とお過ごしになる中で、
いつも気遣いをしてあげたいものですね。
早くに楽器の病気(異変)に気が付けば、それだけ
病気からの回復も早くなりますから。
上手に調整された楽器からは良い音が出ますし、
長時間に渡って練習しても、疲れにくいのです。
ヴァイオリンを奏でる皆様向けの
"奏者がすべき保守"についてのレクチャーを
させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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第15回「指板について」
●"「指板」とは"
弦が擦り付けられる指板には、
堅く耐久性のあるエボニー材が
主に使われています。
しかし長年のうちに、
弦を擦り付けることによって、
次第に指板表面が荒れて
デコボコになります。
荒れた指板では、弦を押さえにくく、
音程がずれたり、雑音が出やすくなります。
このような状態の指板は、
表面を滑らかに削り取る修理が必要です。
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指板は、まっすぐ直線ではなく、
滑らかな反りが付けられています。
この反りがあることにより、
弦が指板にぶつかりにくくなり、
弦高を低くすることが可能になるのです。
●"「指板下がり」について"
「指板下がり」になると、
ハイポジションが押さえにくくなります。
これには、主に3つの原因があります。
#
第一の原因は、
弦の張力によるものです。
ヴァイオリンには、弦の張力によって
大きな力が常に掛かっています。
そのため、次第にネックが起き上がり、
指板が下がっていきます。
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第二の原因は、
気候の変化によるものです。
一年を通して温度湿度の変化の大きい
日本の気候条件は、ヴァイオリンにとっては、
ヨーロッパのそれよりずっと過酷です。
夏と冬では、温度湿度とも外気の状態が異なり、
木材の形状が変化するのです。
温度と湿度が高いとニカワが緩み、
木材も膨張して、指板が下がる原因になります。
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第三の原因は、
木材形状の落ち着きによるものです。
先も言いましたが、
ヴァイオリンには、常に弦の張力による
強い力が掛かっています。
それにより木材の形状が次第に変化し、
ある時点で落ち着きます。
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次第に指板が下がることは、
避けられないことでもありますが、
下がった場合には、
駒を再調整したり、低い駒に交換します。
できれば、年に2回は、
ヴァイオリンを楽器工房に持ち込んで、
楽器の定期検診を受けるようにしましょう。
「いつも一緒のヴァイオリンさま。
愛情を注いであげてください。」
皆様が素敵なViolinライフを過ごされますように。
(Ende.レクチャー:ヴァイオリニストがすべき保守
(第15回) 「指板について」)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."
