さて、付図は"おもちゃの交響曲"の第1楽章の
総譜(スコア)です。
しっかりとご覧になってくださいね。
弦楽器の並びが、何だか変なのです。
通常の交響曲での弦楽器の構成とは異なっていて、
内声部を支える重要な楽器が記されていません。
その楽器とは何だと思われますか?
(1)第1ヴァイオリンがない
(2)第2ヴァイオリンがない
(3)ヴィオラがない
(4)チェロがない

それは、「ヴィオラがない」です。
この交響曲は、管楽器がなく、弦楽合奏が楽曲を
導いていくように書かれています。
弦楽合奏のオーケストラは、「ゾリステン」と呼びます。
弦楽カテゴリーの上から順に、第1ヴァイオリン、
第2ヴァイオリン、そして「チェロとコントラバス」と
総譜に記されています。
ヴィオラ(Viola)の名は、確かにありません。
*
でも、このような場合、作曲家の意図として
楽譜に書かれていなくても、《当然なこととして》
その場にヴィオラ奏者がいれば、加わることを許しています。
J.ハイドンやW.A.モーツァルトの古典派時代までは、
例えば、低音の弦楽器である「チェロとコントラバス」は、
記譜上、同じパートを一緒に弾くように楽譜に
「Violoncello e Basso」(チェロとバス=コントラバス、
或いはチェンバロも加わってよい)と記されている事からも
分かるでしょう。
それに、第2夜で「第3楽章の冒頭の総譜(スコア)」には
「Viola」が記されていましたね。
※(おお、その代わりにヴァイオリンパートが一つになっている!
ヴァイオリンは第1も第2も仲良く、同じ旋律を弾こう!!)
また、単に「Basso」とだけ書かれてある場合は、
暗黙の了解で「チェロとコントラバス、チェンバロも可」です。
*
では、この楽譜で作曲家から明確な指示のなかったヴィオラは、
どのように演奏するか。
一番妥当なのは、手薄な楽器のメロディーに加わるです。
第1ヴァイオリンでも、第2ヴァイオリンでも、或いはチェロでも。
「あー、空いてるところにテキトーに坐ってて!」
そういった感じです。

(Ende.J.ハイドンにご用心!
…偽作に悩まされる大音楽家(第3夜) April 11, 2010)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."

総譜(スコア)です。
しっかりとご覧になってくださいね。
弦楽器の並びが、何だか変なのです。
通常の交響曲での弦楽器の構成とは異なっていて、
内声部を支える重要な楽器が記されていません。
その楽器とは何だと思われますか?
(1)第1ヴァイオリンがない
(2)第2ヴァイオリンがない
(3)ヴィオラがない
(4)チェロがない

それは、「ヴィオラがない」です。
この交響曲は、管楽器がなく、弦楽合奏が楽曲を
導いていくように書かれています。
弦楽合奏のオーケストラは、「ゾリステン」と呼びます。
弦楽カテゴリーの上から順に、第1ヴァイオリン、
第2ヴァイオリン、そして「チェロとコントラバス」と
総譜に記されています。
ヴィオラ(Viola)の名は、確かにありません。
*
でも、このような場合、作曲家の意図として
楽譜に書かれていなくても、《当然なこととして》
その場にヴィオラ奏者がいれば、加わることを許しています。
J.ハイドンやW.A.モーツァルトの古典派時代までは、
例えば、低音の弦楽器である「チェロとコントラバス」は、
記譜上、同じパートを一緒に弾くように楽譜に
「Violoncello e Basso」(チェロとバス=コントラバス、
或いはチェンバロも加わってよい)と記されている事からも
分かるでしょう。
それに、第2夜で「第3楽章の冒頭の総譜(スコア)」には
「Viola」が記されていましたね。
※(おお、その代わりにヴァイオリンパートが一つになっている!
ヴァイオリンは第1も第2も仲良く、同じ旋律を弾こう!!)
また、単に「Basso」とだけ書かれてある場合は、
暗黙の了解で「チェロとコントラバス、チェンバロも可」です。
*
では、この楽譜で作曲家から明確な指示のなかったヴィオラは、
どのように演奏するか。
一番妥当なのは、手薄な楽器のメロディーに加わるです。
第1ヴァイオリンでも、第2ヴァイオリンでも、或いはチェロでも。
「あー、空いてるところにテキトーに坐ってて!」
そういった感じです。

(Ende.J.ハイドンにご用心!
…偽作に悩まされる大音楽家(第3夜) April 11, 2010)
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."
