皆様、ごきげんいかがですか。
私もVnのリペアやグッズで大変にお世話になっている
アルチザンハウス(東京・品川)の工房がある
"アルチザンハウス神戸"の職人さんとの談話や
トピックスを中心に更新してまいります
"(公認)アルチザンハウスKobe日記"の最新号(2010年4月4日号)が
届きましたので、さっそくUPさせていただきます。

ナビゲーターは、神戸の在住の親友"Ms.Composer."です。
乞うご期待ください。
さて、今回は、どんな話題で盛り上がったのでしょうか。
それでは、《(公認)アルチザンハウスKobe日記》を
ごゆるりとお楽しみくださいませ。
by Ms.Violinist.


☆”
ごきげんよう! 私は"Ms.Composer."と申します。
"Ms.Violinist"に乗せられて、なんとなく、
"コラム週刊UP計画"に組み込まれつつあるわたくし。
まあ、お陰で普段のインドア生活から、
取材のために外歩きの機会が出来て、
まあ、これは結果オーライということで…。
では、今回もわたくしめのコラムに
お付き合いください。よろしくお願いします。

今回、第6回は
「ヴァイオリンの響きと肩当てとの関係について」
というテーマで進めてまいります。

$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン・作業台 右側近影











#
(Ms.Composer)からの質問:
「肩当てを変えるとヴァイオリンの響きが変わるものでしょうか?」

#
(職人さんの答え):
「肩当てに限らず、楽器の部品を交換すると響きが変わります。
 これは楽器本体の周辺部分の負荷抵抗が変わることによって、
 楽器の振動モードに変化が起きるからなのです。
 そしてその傾向は、
 「周辺部分の振動を固定するほど、音は大人しくなる」
 と言えます。
 逆に、「周辺部分を軽くすると、音の明るさが増す」
 という事です。
 これは重要なことです。
 楽器に取り付けられる部品別に音質への影響がある程度
 想像できるのです。
 今回はヴァイオリンの肩当てに絞って考えますが、
 同様なことは、アゴ当てにも当てはまります。」

$Ms.Violinistのひとりごと-楽器備品棚(左)











#
(Ms.Composer)からの質問:
「では、肩当てのタイプと特徴の関連を教えください。」

#
(職人さんの答え):
「肩当ての種類と、その音質への効果をあげてみます。
 肩当てには、大きく分けると
 「ブリッジタイプ」と「座布団タイプ」があります。
 各々の特徴とは下記の通りです。」

 ●ブリッジタイプ
  楽器の周辺部を固定するので、楽器の周辺部の振動を
  押さえる効果があります。
  しかし中央部分の振動は妨げません。
  このようにすると音質は柔らかな感じになります。
  甲高い音を抑さえたい人には、このタイプの肩当てをお勧めです。
  肩当ての品名をあげれば、
   ●剛性のあるタイプでは"VIVA LA MUSICA"
    柔らかなものタイプである"KUN"よりも周辺部を
    しっかり固定するので、効果は大きいです。
    そして同じものでも、その裏板からの高さが高いほど
    肩当ての剛性は弱くなり、効果が小さくなります。

 ●座布団タイプ
  座布団タイプの肩当てには"PLAY ON AIR"、"GEWA TYPE2"
  などがあります。
  これらはブリッジタイプとは逆に、周辺部分の振動は全く妨げなく、
  中央部分の振動は妨げます。
  こうすることによって、高い倍音成分の音が
  振動しやすくなるのです。
  このタイプを付けることによって、音質は明るい音になります。
  すなわち高周波倍音成分が増すのです。

$Ms.Violinistのひとりごと-楽器備品棚(中央)











#
(Ms.Composer)からの質問:
「他にも肩当てを選ぶ際の留意点はありますか?」

#
(職人さんの答え):
「新作楽器の音色は古い楽器と比べると、
 とても高い周波数成分が多いです。
 これは聴いている人には届きにくいので問題はありませんが、
 演奏者にとっては、少々耳障りになることもあります。
 このような場合には、ブリッジタイプの肩当てを使うと、
 音がまろやかになってよいでしょう。
 一方、古い楽器の場合には、高周波倍音成分はあまり出ません。
 従って素直な、聴きやすい音色となるのですが、欠点も出ます。
 古くなると、長年の修理などによって
 板の厚みが薄くなってしまうために、
 音に力強さがない場合が多いからです。
 また、古い楽器ではその発音特性や構造の強度的問題から、
 ガット弦を使用することが多いのですが、
 こうするとどうしても"張りのある音"が欲しくなります。
 このような意味から、古い楽器を使っている方には、
 座布団タイプの肩当てか、または肩当て無しで演奏する人が
 目立つのです。」

$Ms.Violinistのひとりごと-楽器備品棚(右)











「肩当ては、素人の方が自分で自由に交換しても、
 楽器に悪影響を与えにくい数少ない部品です。
 最近は"KUN"の肩当てを何の疑問も抱かずに
 使用している人が多いのですが、音を追求したい方は、
 ぜひとも他のタイプも試してみることをお勧めします。」

以上。



ご褒美にちょっと、自己主張を書かせてもらえますので、
この場を借りまして一言。(面倒だから、いつも同じですが。)
「現代音楽を聴きましょう。特に邦人作品を。
 すばらしい試みが、あなたのおいでをお待ちしています!」
 ありがとう!

By "Ms.Composer." Special Thanks for "Ms.Violinist"


(Ende.(公認)アルチザンハウスKobe日記 2010年4月4日号)
The author is "Ms.Composer."
The verification is "Ms.Composer.


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