前回で「ポストホルン」が鳴ったことですし、
これで終わりにいたしましょう。

W.A.モーツァルトの最晩年は演奏会を開こうにも聴衆が集まらず、
困窮が甚だしかったと伝わっています。
それでも妻のコンスタンツェを温泉治療に向かわせます。
その地で、コンスタンツェの世話をした合唱指揮者A.シュトルに
W.A.モーツァルトがお礼に作曲して贈った作品は?

※モーツァルト アヴェ・ヴェルム・コルプス 自筆譜
$Ms.Violinistのひとりごと-モーツァルト アヴェ・ヴェルム・コルプス 自筆譜











それは、「モテット『アヴェ・ヴェルム・コルプス』K.618」です。 
  
混声四部合唱と伴奏として弦楽合奏とオルガン(通奏低音)による
演奏時間にして、わずか3分余りの小さな曲です。
しかし、簡素な中にもW.A.モーツァルトの最晩年の澄み切った
情感と、歌詞の内容に応じた機敏な転調から姿は小さくとも秀逸です。
モテットですから、使われるのは定型のラテン語テキストで、
他の作曲家もこれのテキストを用いて作曲していますが、
どんなに厳しく見ても、モーツァルトのはベスト3には確実に入ります。
モーツァルト作品で時代を超えて愛されているものの一つでしょう。
序奏のニ長調の《コラール音型》は、これ以前に作曲された
「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581」の冒頭を連想させます。

$Ms.Violinistのひとりごと-モーツァルトの墓(悲しみの天使像)






















(Ende.M.A.モーツァルトの愉快ないたずら(最終夜))
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