$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン吊してあるVN

ヴァイオリンという楽器は、
その殆どが木材から出来ています。
あの女性のしなやかな体に喩えられる胴体は、
表板と裏板、そして側面をぐるりと囲む
側板から出来ています。

表板も裏板も木材の種類こそ違いますが、
まな板ほどもある分厚い木から、職人さんが
ノミとカンナで削り出していくのです。
不思議な引き算…"ヴァイオリンの魂"。


その様子からは、"ヴァイオリンの魂"を
木の中から見つけ出し、命ある形として
まるで赤ちゃんを取り上げるかのような
印象を受けます。


ヴァイオリンが300年もの生命を持つ由来、
それは、大地から高々と育っていた
樹木の生命と引き替えに、
ヴァイオリンをいう"新たな命"を取り上げる。
そこにこそ、あるのではないでしょうか。

多くのモノを切り剥がし、削り取り、
そして擦り出して一つの意味ある形となす。

そこには引き算の手順を感じます。
でも、命は決してゼロには近づかない。
むしろ以前よりも大きくなっている。

不思議な引き算…"ヴァイオリンの魂"なのですね。
(ende.)


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