メンデルスゾーンが《弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20》を
作曲した翌年にシェイクスピアの戯曲を題材とした
序曲を作曲しています。
さて、次の4つのどれでしょうか。

  (1)『夏の夜の夢』序曲
  (2)『フィンガルの洞窟』序曲
  (3)『コリオラン』序曲
  (4)『オベロン、または妖精の王の誓』序曲

$Ms.Violinistのひとりごと-フュースリ 真夏の夜の夢(絵画)



















それは、"(1)『夏の夜の夢』序曲"です。

『夏の夜の夢』序曲 ホ長調 作品21は、
メンデルスゾーンが17歳の年、1826年に作曲されました。
姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲が、
この曲の原曲ですが、作曲後、間を置かずに
管弦楽曲に編曲しています。
冒頭の木管楽器群による和音進行が、幻想的な雰囲気を
醸し出していて、楽曲構成も子どもの作品とは思えないほど
豊かな創意がみられます。

ワーグナーを先取りするかのような
性格的動機(ライトモチーフ)が用いられ、
幻想的な序奏に続いて、第1主題の跳ね回る妖精たちや
第2主題群に聞こえるクラリネットによる
"ロバのいななき"の描写は秀逸ですね。
楽器の特性をこの年齢から熟知していたとは
驚異的だと思います。
 
あ、忘れてはならないのは、その後、
1843年にこの序曲を、さらに発展させて
演劇の付随音楽として12曲を書き足して完成させた
"付随音楽『真夏の夜の夢』"には、
独立して演奏されるメンデルスゾーンの
"結婚行進曲"が含まれます。
全体は知らなくても、"結婚行進曲"は、
皆さま、ご存じでしょう。
「結婚~」ねえ……。

"(2)『フィンガルの洞窟』序曲"作品26は、
1830年に作曲され、1832年に改訂が行われ出版されました。

(3)"『コリオラン』序曲"は、メンデルスゾーン作ではなく、
ベートーヴェンの歌劇『フィデリオ』の序曲のひとつ。

(4)"『オベロン、または妖精の王の誓』序曲"は、
カール=マリア・フォン・ウェーバーの作。
この作品も題材は、メンデルスゾーンと同じ
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に登場する妖精王
オベロンを題材にしたもの。
当時、シェイクスピアが流行っていたのかな。

一般には、ヴァイオリン協奏曲と結婚行進曲のみで
知られるメンデルスゾーン。でも、色々と探ってみると
面白そうな作品がいっぱいです。

「昨年、2009年が彼の生誕200周年という
 記念の年だから、注目するのではなく、
 思いの外に研究の進んでいない彼の
 隠れた名曲を探そうではありませんか。皆さま!」

うーん。何を演説してるんだろ、ワタシ…。
(『熱血バカ』なので、すみません…。)

$Ms.Violinistのひとりごと-メンデルスゾーンの墓















(Ende.メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20(最終夜))
The author is "Ms.Violinist."
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