《エルガーの『愛の挨拶(Salut d'amour)』作品12》。
 タイトル通り、この楽曲は、とってもロマンティックな
 エピソードが満載で、私もハイテンションでお話したいと
 思っております。
 まさに、ヴァレンタインデーにもってこいのロマンスです。
 「女性の方も、そしてそして、男性の方もご注目を!!」(笑)
 この楽曲はある目的のために作曲されました。


$Ms.Violinistのひとりごと-エルガー横顔(写真)












 目的とはずばり、「エルガーが、婚約者のために記念に贈った」です。

 この楽曲は、エルガー(1857-1934)が31歳、1888年の作です。
 弟子の一人である《キャロライン・アリス・ロバーツ》に
 婚約記念に贈ったと言われています。しかし、実際には、
 エルガーとの結婚に難色示していたキャロライン・アリスの
 両親に敬呈されたものと思われます。
 理由は、当時のイギリスの階層社会と宗教にあります。
 まず、エルガーの家系は代々カトリック、それに対して
 キャロライン・アリスのロバーツ家はプロテスタント。
 「日本人には、それがどーしたでしょうけれど。
 この隔たりは、リアルにキビシイ。今日でもあの国には、
 未だに《アイルランド問題》がくすぶり続けています。」

$Ms.Violinistのひとりごと-エルガーとアリス夫人(写真)
















 キャロライン・ロバーツに求婚した当時のエルガーは、
 一介の音楽教師に過ぎず、作曲家としても、
 この楽曲の作品番号『作品12』が示すとおり、無名であり、
 自身のためのヴァイオリンやピアノ向けの練習曲の作曲や、
 表だっては、地域の音楽イベントなどの合唱曲の作曲を
 委嘱される程度でありました。
 一方、キャロライン・アリスは、ピアノを嗜みに出来る程、
 裕福な階層でしたのでので、キャロライン・アリスの両親が
 反対していたのです。エルガーとキャロライン・アリスとの
 年齢差が8歳も離れていたもの問題にされていました。
 "愛があれば、年の差なんて"って、私も思いはしますが、
 なにぶん、超保守だった当時の世相の中では困難な結婚で
 あったのです。
 「で!」結局、二人はキャロライン・アリスの両親の反対を
 押し切って結婚してしまうのでした。
 「困難があればあるだけ、愛の炎は激しく燃える!!」(笑)



(Ende.エルガーの『愛の挨拶(Salut d'amour)』 作品12(第1夜))
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."


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