皆さま、《アドルフ・ブッシュ》さんは、ご存じですか。
20世紀前半に活躍された、私も尊敬してやまない偉大な
ヴァイオリニストです。特にJ.S.バッハの無伴奏パルティータの
第2番の終曲《シャコンヌ》の名演や、ベートーヴェン、
ブラームスなど、主にドイツ系の音楽を得意にされ、
また、その方面の音楽に名盤が残っています。

$Ms.Violinistのひとりごと-アドルフ・ブッシュ(写真)





さて、ある日のコンサートのこと。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を弾こうとステージに上がった
ブッシュさんは突然のアクシデントに見舞われます。

なんと!! ブッシュさんに無断で「プログラムが変更されていた」です。

今では考えられない『事故』です。これは。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、独奏ヴァイオリンの
ソロが出るまでに、管弦楽の長い長~い前奏があります。
ですから、ブッシュさんはヴァイオリンを下にさげて、
何かを瞑想するかのように、目を閉じてじっと立って
おられました。

管弦楽が最初の音を出した時は、ブッシュさんも
気づかなかったのですが、二拍目でこれは大変とばかり、
楽器を取り上げて間一髪のところで演奏を始めました。





$Ms.Violinistのひとりごと-Mendelshoon Vn協奏曲 第1楽章 ソロパート冒頭

曲は《メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲》だったのです。

これは、ベートーヴェンのとは逆に、序奏が短く、
2小節目から、もう独奏ヴァイオリンが入るんです。

この曲なら、フツーに独奏ヴァイオリン奏者は、
最初から楽器を構えたままで、ソロの出番を待ち構えている曲です。
プログラムが変更されたことを、ブッシュさんは知らされて
いなかったそうです。
「いやいや……良く間に合ったなぁ……。
 私ならパニクるよね。ゼッタイに!!(そこ、強調するとこか!?)」



(Ende.ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61(第2夜))
The author is "Ms.Violinist."
The verification is "Ms.Composer."


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