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研究成果と投資の関係



責任者のsuzukiです。

つい先日、こんな調査研究結果を見つけました

運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究
~国際学術論文データベースによる論文数分析を中心として~


この調査研究の中でいくつか大事な事が語られていますが、先ず事実として、

>• 2002年頃から、主要国の中で唯一日本のみ論文数が停滞~減少。
>• 2013年人口あたり論文数は35位。台湾は日本の1.9倍、韓国は日本の1.7倍の論文を産生している。
>• 論文の注目度(質)も全世界の平均レベルであり、先進国に水を開けられ、いくつかの国に追い抜かれて31位となり、新興国との差が縮まっている。

こうした要素が挙げられています。日本の研究者はイケてないと言われて久しい気がしますが、こうした数字で評価されるとその実態がはっきりとします。

今の時代は分かりませんが、少なくとも15年前の時点で大学生だった世代は、研究=食って行けないと判断する人間が極めて多く、またビジネスに活路を見出す人間が優秀な層にも多かった気がします。理系からibankやコンサルに多くの人材が流れていた時期です(いまもそうかも?)

次にその低迷した原因として、

>• わが国の研究力低迷の要因
>高等教育機関への公的研究資金が先進国で最も少なく、増加していない。
>高等教育機関へのFTE研究従事者数が先進国で最も少なく、増加していない。
>博士課程修了者数が先進国で最も少なく、増加していない。
>論文数に反映され難い政府研究機関への公的研究資金の注入比率が高く、大学研究費の施設・設備費比率が高い。

>経済成長率に影響する交絡因子は数多くあり、相関関係が観察されても要因であるとは断定できないが、検討した範囲では「大学への公的研究資金増⇒論文数増、博士課程修了者数増⇒イノベー
ション力向上⇒中長期経済成長」という図式に矛盾する要素は見つからない。

こんなデータと結論が挙げられています。公的研究資金を削り過ぎだと言う批判は最近良く聞きます(具体的な数字は把握していません)が、投資が十分になされなければ結果もでないのは自明かとは思われます。また研究者の労働環境が任期付である場合が多く極めて不安定である事も、それに拍車をかけているように思います。

サイエンスコミュニケーションによる認知の拡大



理屈と実態の構造を理解するには分かりやすい結果だと思います。他方で、これをひっくり返すにはこれだけ唱えていてもダメなような気がしてなりません。

日本の国家予算は今社会保障費が膨らみ続けている事が良く知られています。これに圧迫される形で赤字国債を発行し、他の予算を削らねばならない事態に追い込まれている状況です。しかし研究や教育に対する投資は、長期投資になりますから、これを削ると将来にわたる利益が目減りする事を意味します。

理系上位の特徴の悪い面の一つは、競争の激しさもさることながら、対象に没入して行く傾向が強くあるので、その競争に振り落とされてしまった人間に対して排他的になる傾向がある点です。これが主な原因となって、折角の良さがその他大勢の人達に伝わらなくなってしまう傾向があります。

世論を動かす為にもこうした傾向をなるべく抑え、サイエンスコミュニケーションを通じて広くその価値を世間に認めれもらえるよう、活動を奨めて行くべきなのだろうと、日頃から感じています。先ずは科学に強い人間がopen mindを持ち、誰にでも臆する事無くその価値を伝えて行く姿勢を見せる事から始めるべきなのではないでしょうか。





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