〇夏のパフォーマンスを最適化する漢方〇
漢方では、夏を軽やかに過ごすヒントとして「胃腸の働きをいたわること」を大切にします。
胃腸は日々の活動に必要なエネルギーを生み出す基本となるため、
冷やしすぎない工夫を重ねることが健やかな身体作りを支えます。
体調を整える第一歩は、自分の小さな変化に気づくことです。
体質やその時々の状態によって、今の自分に必要な「整え方」は人それぞれ。
「6つのタイプ」別に、日常に取り入れやすい養生法やおすすめの食材をご紹介。
【 夏バテを防ぐ 6タイプ別・自己チューニング術】
1. 元気が出ないエネルギー不足の【気虚タイプ】
2. 気持ちを溜め込みやすく余裕を失いがちな【気滞タイプ】
3. 気持ちが急に高ぶりやすく焦りを感じやすい【気逆タイプ】
4. カサつきや夜の休息感が気になる【血虚タイプ】
5. 冷房の寒さや重だるさが気になる巡り不足の【瘀血(おけつ)タイプ】
6. 重だるさを感じやすい、水分を溜め込む【水滞タイプ】
1. 元気が出ないエネルギー不足の【気虚タイプ】
【気虚タイプにある傾向】
・朝起きても疲れが抜けず、朝からぐったりしている
・食欲がなく、冷たい麺類や飲み物ばかり選んでしまう
・少し動いただけでも汗をかきやすく、午後になると集中力が続かない
このタイプが無理を重ねると、もともと不足している気(エネルギー)がさらに低下し、
日々のパフォーマンスに影響が出やすくなります。
心と体の休息を最優先に考えましょう。休日は予定を詰め込まず、
ゆっくりと穏やかに過ごす時間を意識的に作ることが健やかさを保つ鍵です。
食欲が落ちやすい時期ですが、胃腸をいたわる意識を持ち、
消化の良いものを少しずつ取り入れるのがおすすめ。
冷たい夏野菜の食べ過ぎは胃腸を冷やすため注意が必要です。
【おすすめの過ごし方】
・休日はアクティビティを控え、睡眠時間を最優先で十分に確保する
・エアコンの効かせすぎを避け、胃腸の冷えによる消化機能の低下を防ぐ
【おすすめ食材】
鶏肉、かぼちゃ、キャベツ、いちじく
2. 気持ちを溜め込みやすく余裕を失いがちな【気滞タイプ】
【気滞タイプにある傾向】
・予定どおりに進まないとイライラする
・仕事が終わっても気持ちの切り替えができず、疲れが抜けない
・ストレスを感じると食欲が落ちたり、反対に食べ過ぎたりしやすい
責任感が強く完璧主義の人に多い気滞のタイプは、
仕事やプライベートの予定が計画通りに進まないと気持ちが焦り、
それが心身の大きな負担となって疲労を感じることも。
忙しくしていても、たまには「まぁいっか!」と気楽に構える心の余裕を持つことが大切。
休日のタスクは最小限にして、のんびり過ごす時間を意図的に作りましょう。
香りの良いハーブティーを飲むと気分がすっきりと整い、効率的なリフレッシュにつながります。
【おすすめの過ごし方】
・スケジュールに余白を作り、休日に予定を詰め込みすぎないようにする
・オンとオフの切り替えを意識し、リラックスできる時間を作る
【おすすめ食材】
ペパーミント、カモミール、ローズマリー、柑橘類
3. 気持ちが急に高ぶりやすく焦りを感じやすい【気逆タイプ】
【気逆タイプにある傾向】
・のぼせ感や、急な気持ちの高ぶりを感じやすい
・カフェイン飲料などに頼りがちになる
・夜すんなり休息モードに入りにくく、途中で起きることがある
このタイプの人は厳しい暑さによって気持ちが高ぶり、おだやかさを保ちにくくなるのが特徴です。
長期休暇などで生活リズムが乱れると心身のコントロールが難しくなるため、
多忙であってもできるだけ普段と同じ時間に起床・就寝することを心がけてください。
眠気覚ましに頼りがちなカフェイン飲料やエナジードリンク、仕事終わりのアルコールは、
心身の「冴え」や高ぶりを後押しして休まりにくくなることがあります。
飲み過ぎには注意し、ノンカフェインの温かいお茶などに切り替えてみましょう。
焦りを感じたら、まずは窓を開けて深く息を吐き、新鮮な空気を吸い込んでみてください。
【おすすめの過ごし方】
・毎日の起床と就寝の時間を一定に保ち、生活リズムの崩れを防ぐ
・気持ちが焦ったときは、意識的に深呼吸をして気分を落ち着かせる
【おすすめ食材】
しそ、バジル、いわし、いか、うなぎ
4. カサつきや夜の休息感が気になる【血虚タイプ】
【血虚タイプにある傾向】
・いつも肌や髪の乾燥が気になる
・紫外線による日焼け後のほてりや肌のごわつきなどのダメージを受けやすい
・ふとした時にくらっとしたり、目の負担を感じやすい
このタイプは今、体内に巡る潤いや栄養(血)をしっかり補いたい時期。
紫外線によるダメージや室内の乾燥など、外的ストレスに敏感になりやすくデリケートな状態。
通勤時や外出時には日焼け止めをこまめに塗り直したり、
日傘や帽子を活用して、紫外線からしっかりとガードすることを心がけましょう。
また、体内の水分バランスを保ちにくくなると、いつもより冷えを感じやすくもなります。
冷たいものや、極端な食事制限は避けましょう。
オフィスでの冷房対策として羽織るものを常備するなど、
毎日の元気を蓄えられる体づくりを意識することが乗り切る秘訣です。
【おすすめの過ごし方】
・日傘や帽子、日焼け止めを駆使して、紫外線から肌や髪を徹底的に守る
・冷房による冷えを防ぐため、オフィスではカーディガンなどを用意する
【おすすめ食材】
人参、プルーン、レバー、ぶどう
5. 冷房の寒さや重だるさが気になる巡り不足の【瘀血(おけつ)タイプ】
【瘀血タイプにある傾向】
・肩や首まわりに重さや張りを日常的に感じやすい
・冷房の効いた室内では手足が冷えやすい
・長時間座っていると足が重だるく感じる
環境の変化によって、どんよりとした重さや冷えを感じやすいのがこのタイプ。
デスクワークが続くと特に足先が冷えやすいので、デスクの下でこまめに足首を回したり
指先を動かしたりして、こまめなリフレッシュを促しましょう。
熱中症対策としての水分補給は不可欠ですが、
冷たい飲み物を一度に大量摂取すると内臓を冷やしてしまいます。
常温の飲み物をこまめに補給するのがポイントです。
シャワーだけで済まさず、湯船につかる入浴習慣をつけることで、
心地よく発汗を促し、全身の巡りをスムーズに整えられます。
【おすすめの過ごし方】
・デスクワークの合間に足先を動かし、1日10回でも良いのでスクワットを継続する
・夜はシャワーだけで済まさず、しっかり湯船につかって全身を心地よく温める
【おすすめ食材】
ねぎ、さば(青魚)、黒きくらげ、桃
6. 重だるさを感じやすい、水分を溜め込む【水滞タイプ】
【水滞タイプにある傾向】
・夕方になると足や顔のスッキリ感がなくなる
・雨の日や湿度が高い日は体が重く感じる
・水分を摂っているわりに、巡りが滞っているように感じる
体内の水分バランスが乱れやすく、水分をうまく巡らせたり排出したりしにくくなり、
体が重だるく感じやすくなるのがこのタイプです。
スイカやトマトなどの水分を多く含む夏野菜・果物を上手に取り入れて、
自然な形で水分を補給しましょう。
体内の水分のバランスを意識し、カリウムが豊富なほうれん草や
アボカドなどを積極的に摂取してください。
【おすすめの過ごし方】
・水分は一度に大量に飲まず、こまめに補給して体にため込みすぎないようにする
・夏野菜・果物で自然な水分摂取を心がける
【おすすめ食材】
スイカ、トマト、ほうれん草、アボカド、きゅうり
■結論:夏バテ対策は自分の体質と傾向を知ることで変わる
夏の不調を乗り切るためには、冷房対策といった外側のケアだけでなく、
東洋医学のベースである自分の体質に合わせた内側からの対策も心がけましょう。
「気」や「血」の不足、「水」の偏りなど、コンディションの傾向は人によって大きく異なります。
自分の証の傾向を知り、それに合わせた養生を取り入れることこそが、健康管理のスタート。
まずは自分のタイプをチェックして、今日からできる小さな習慣を取り入れてみてください。
