○腸内環境が老化を左右する理由
中年期(40〜64歳)に入ると体の衰えを感じるようになりますが、
実は老化は青年期から始まっています。
スタンフォード大学の研究チームがヒトの血漿たんぱく質を分析したところ、
老化は一定のペースで進行するのではなく
34歳の青年期、60歳の壮年期、78歳の老年期で急激に進行することがわかりました。
急激な老化を避けるためにも、日頃のエイジングケアは20〜30代から始めて、
早すぎるということはありません。
老化は美容面のダメージだけでなく、体力やメンタルの衰え、病気にもつながり、
長い生涯の生活の質を落すことにつながります。
■腸年齢=見た目年齢
・腸を若返らせることがエイジングケアの基本
同じ年齢でも元気で若々しい人、実年齢より老けて見える人がいます。
老化のスピードには個人差があり、実年齢(時間の経過)とは別に
生物学的年齢(体の年齢)という考え方が注目されています。
顔の見た目が老けている人は生物学的年齢が進んでいる、
つまり体の中の老化が進んでいることがわかりました。
体の中の老化を食い止めるには、腸がカギを握っています。
腸内フローラが整っている人は腸が若く、生物学的年齢も若いことがわかっています。
■腸の若返りのポイントは大豆と発酵
生物学的年齢=腸年齢といっても過言ではないほど、
腸と老化には密接な関係があります。
長寿者の腸内細菌を調べてみると、酪酸菌が多いことがわかりました。
酪酸菌というのは、酪酸を産生する菌のことで、
老化防止に重要な役割を果たしていることがわかっています。
腸内細菌は食べ物の影響を強く受けます。
特にたんぱく質と食物繊維の摂り方が影響します。
腸年齢の若い人は、たんぱく質を大豆を中心に
魚、卵、鶏肉で摂っていることがわかりました。
また、発酵食品を日常的に摂っています。
■腸を若返らせる食材、老けさせる食材
腸を若返らせるためには腸内細菌の多様性を高くし、腐敗菌の働きを抑えること。
菌の種類が多いほど、いい菌が棲みやすい環境をつくります。
菌のバランスは食べ物で決まります。
腸を若くするには「まごわやさしいよ」をキーワードにして食材選びをするといいでしょう。
●腸が若返る食材
「ま」豆類・大豆食品
「ご」ゴマ
「わ」ワカメ
「や」野菜
「さ」魚
「し」しいたけ・キノコ類
「い」いも
「よ」ヨーグルト
◆腸が老ける食材
レッドミート、砂糖が多い食品、高脂肪食
■発酵食品が腸年齢を若返らせる理由
腸内にいる微生物を腸内細菌といいますが、
微生物はこの世界の中のあらゆるところに存在します。
発酵食品は、この微生物の働きを活用しています。
体によい働きをする物質を作り出すのが「発酵」
悪い物質をつくりだすことを「腐敗」といいます。
発酵の段階で体にいい物質をたくさんつくっているので、
発酵食品は健康に寄与するといわれています。
また、発酵によってうまみが増し、食べやすくなることも発酵食品の利点です。
近年の研究で発酵食品に含まれる成分が、直接腸内環境に働きかける、
腸内細菌のエサになる、腸内細菌の多様性をもたらして
腸内フローラを変えるということがわかってきました。
発酵食品は腸活にはかかせない食品となっている理由です。
■腸が老いると血管が老いる
・若返り腸活は20代からシニアまで継続
100年前、米国のウイリアム・オスラー博士が
「人は血管とともに老いる」という有名な言葉を残しました。
動脈硬化は血管の老化の代表ともいえる状態ですが、
腸内環境と動脈硬化には密接な関係があります。
近年腐敗菌がつくる物質TMAO(トリメチルアミン N オキシド)が
動脈硬化の起因や進行に関わっていることがわかっています。
ヒトによる研究でもTMAOが血中に多いと心疾患のリスクが高いと報告されています。
TMAOは慢性腎臓病の誘因や悪化にもつながっており、
腸の老化があらゆる臓器に影響していることがわかっています。
腸を若返らせることは、見た目が若々しくなるだけでなく、
病気を防ぎ健康維持にも大きく役立ちます。
腸の若返りは20〜30代から始めて、ミドル〜シニア世代まで継続していきましょう。
