◆慢性的な疲労感や不調の原因◆
「とくに病気はないのに体がだる重い」
「午後になるとどっと疲れが出る」
「睡眠時間を確保しているのに眠気がひどい」
原因がよくわからないながら、
こうした心身ともに冴えない症状を訴える人が増えています。
機能性低血糖症とは、食後の血糖値が急激に上がり、
それに対応するために膵臓からインスリンというホルモンが過剰に分泌され、
今度は血糖値が下がりすぎてしまう病気です。
そもそも血糖値は、よほど高くならない限り特別な症状は出ません。
むしろ、少し高いくらいのときはアグレッシブに行動できます。
一方で、血糖値が下がりすぎると、眠気、倦怠感、吐き気、めまい、動悸、
頭痛、思考力や集中力の低下などさまざまな不快症状に襲われます。
■根本原因はよかれと思って補給しているもの
問題は、気づかずに血糖値の乱高下を繰り返している人たちです。
おそらく、みなさんも他人事ではありません。
たとえば、食後しばらくして眠くなってしまう人や、
慢性的な疲労感や不調に悩まされる人は、
程度の差こそあれ血糖値の乱高下を起こしています。
ただ、そうした危ない状況を自覚なく見過ごしているだけです。
そしてその根本原因は、よかれと思って補給しているものがつくっているのです。
■甘い物を摂ったときの効果は短期的
疲れを感じたときに、なにか甘い物を欲しがる人が結構います。
みなさんも覚えがあるかもしれません。
そんなときは、手軽なコンビニスイーツや和菓子、あめ玉、ジュース、
缶コーヒーなどを口にして、ほっと一息つくことでしょう。
たしかに、人間は甘い物を食べると瞬間的に元気になります。
でも、それは肉体的疲労が消えたわけではありません。
急激に血糖値が上がり、ドーパミンやセロトニンといったホルモンが分泌されることで
脳が高揚感に包まれているだけ。
要するに、脳が騙されているわけです。
しかも、それこそがみなさんを慢性的な疲労に導いてしまうのです。
甘い物を摂ったときの効果は短期的で、元気になるのは一瞬です。
その後は、血糖値の乱高下による疲れがどっと出ます。
そして、あたかも薬が切れた薬物依存患者のように、甘い物が欲しくてたまらなくなります。
つまり「疲れた」→「甘い物を食べよう」→「さらに疲れた」→「もっと甘い物を食べよう」
という負の連鎖に、多くの人がからめとられているわけです。
甘い物は、疲れたときの救世主ではありません。
救世主の仮面を被った悪魔だということを、まずはしっかり覚えてください。
■誤解を解いていけばすっきり快適な体が手に入る
加えて、より重要なのは、その負の連鎖を引き起こすのは、
実は「甘い物」だけではないということです。
白米やパン、麺類といった炭水化物も糖質の塊であり、
重度の慢性疲労を引き起こす犯人です。
また、コンビニや薬局で売られている栄養ドリンクや
エナジードリンク、スポーツドリンクにも糖質がたっぷり含まれます。
「眠気を吹き飛ばそう」「もうひと頑張りしよう」という目的で飲むのは明らかに逆効果。
元気になった錯覚を起こしているだけです。
みなさんの慢性疲労をつくりだしているのは、自分の体に対する誤解、
それも「よかれと思っての誤解」がほとんどです。
言い方を変えれば、その誤解を解いていけば、すっきり快適な体が手に入ります。