◆これから注意したい「冬季うつ」◆
「寝ても寝ても眠い」「食欲が止まらない」このような悩みの原因は
季節性うつ病のひとつである「冬季うつ病」かもしれません。
■冬季うつ病の症状
秋から冬に起こる季節性うつ病は過眠・過食・体重の増加や気分の落ち込み、
イライラ、倦怠感などがあらわれます。
しかし、春ごろには回復する傾向にあるのが特徴です。
なお、一般的なうつ病は不眠や食欲不振、体重の減少など、
冬季うつ病とは反対の症状が見られます。
■日照時間の変化が冬季うつ病の原因
冬季の季節性うつ病の発症には、日照時間が関わっていると考えられています。
秋から冬にかけては日照時間が減少することで、体内時計が狂ったり、
睡眠・食欲・精神の安定に関わる「セロトニン」の分泌量が減少したりします。
その影響で、過眠・過食・気分の落ち込みといった症状があらわれることがあるのです。
また、セロトニンの分泌を促進させる女性ホルモンの「エストロゲン」は、
加齢とともに減少するため、
更年期以降の女性はとくに影響を受けやすいといえます。
なお、更年期障害でも気分の落ち込みや過眠・過食などが起こることがあり、
冬季うつ病と症状が類似します。
専門家以外では見分けることが難しく治療方法も異なるため、
気になる症状がある場合は心療内科や婦人科を受診しましょう。
■冬季うつ病予防のカギは体内時計とセロトニン
日照時間が減少する秋から冬に、体内時計を整えたり、
セロトニンの分泌が促進される行動を意識したりすることが
冬季うつ病を予防するカギです。
◆体内時計を整える
体内時計は、脳にある「中枢時計」と
筋肉や臓器などにある「末梢時計」の2つがあり、
約25時間サイクルで活動しています。
1日24時間サイクルとは1時間の誤差があるため、
体内時計を整えるにはリセットする必要があるのです。
中枢時計のリセットには、朝日を浴びることが有効なので、
起床後は雨戸やカーテンを開けて、朝日をしっかりと部屋に取り入れてください。
一方、末梢時計のリセットには食事や運動が関わっており、
朝食のタイミングを意識することでリセットすることができます。
朝食の時間を前日の夕食から10時間以上空け、
かつ、起床から2時間以内にすることで、
ホルモンや消化酵素などが分泌されて腸が動きだし、
末梢時計をリセットすることができるとされています。
◆セロトニンの分泌促進
セロトニンの分泌を促進するには、日中に2500ルクス(照度)以上の光を
1日に30分以上浴びる必要があります。
たとえば、晴天時の屋外は約10万ルクス、曇天時の屋外は約1万ルクス、
雨天時の屋外は約2500~5000ルクス、
晴天時の屋内(東南向き)は約1000~2500ルクスです。
一方、人工的な光では、オフィス照明は約500~1000ルクス、
住宅照明は約300~500ルクスのため、
セロトニンの分泌を促進するには照度が足りません。
そのため、屋外で自然の光を浴びるのが理想的です。
屋外に出るのが難しい場合は、太陽光が差し込む部屋で
日光浴を30分以上するとよいでしょう。
■冬季の季節性うつ病予防に有効な食材
冬季の季節性うつ病予防につながる、体内時計(末梢時計)を整えるには、
「炭水化物」と「たんぱく質」を摂るのがよいとされています。
炭水化物(ブドウ糖)を摂ったときに分泌される「インスリン」は、
体内時計をリセットするシグナルとなるのです。
そのため、炭水化物を摂ることが推奨されます。
また、たんぱく質に含まれるアミノ酸に、体内時計をリセットする働きのある
ホルモンを分泌する作用があることも報告されています。
そこで、体内時計をリセットする効果があるとされる「DHA」や「EPA」が含まれるツナ、
「セロトニン」の材料となる「トリプトファン」が含まれている卵、
これらを炭水化物と組み合わせた「ツナサンド」と
「たまごサンド」を食べるのもおすすめです。
また、トリプトファンからセロトニンを合成するには「ビタミンB6」が欠かせません。
そのため、ビタミンB6を多く含む
バナナチップスを加えたヨーグルトなども添えるとよいでしょう。
