◆怒りが身体に及ぼす影響◆
いつも怒っていたり、怒り方が激しすぎたり、
はっきりした理由もなく怒りが込み上げてくるなら
怒りが身体に悪い作用を及ぼしてしている可能性があります。
意味がない激しい怒り。これを繰り返すと体を蝕んでしまうそう。
怒りを覚えるのは至って自然なこと。
満たされない欲求を過度にため込む人がいます。
多くの場合、理由ははっきりしておらず何の解決にもつながらない。
このようなことが起きるのは、
脳の中で感情をコントロールする部分である前頭前皮質が
しっかり機能せず、強い感情を和らげることができなくなっているから。
この場合、怒りは身体に悪い作用を及ぼしてしまうのです。
怒りは身体の緊張を過剰に高めます。
常にヒートアップした状態なので、
身体も脳も非常に多くのエネルギーを消費します。
それをコントロールできるようになるのが緊急な課題です。
■健康への悪影響
突然の激しい怒りに繰り返し襲われる人は、ヘルニアやじんましん、
乾癬、喘息、腰痛に悩まされる可能性があります。
最終的には深刻な病を引き起こしかねない。
激しく怒る人は血圧が高いことが多いので
心血管疾患、心臓病、脳卒中になる可能性が高いのです。
慢性的に怒りを覚える人は潰瘍も起きやすい。
■殻に閉じこもる
頻繁に怒りを覚える人は、精神と感情のバランスを崩すことがあります。
理由は明白。怒りが及ぼす生理作用機能は
ストレスが及ぼす生理作用機能に近いので、
不安症、恐怖症、強迫性障害を誘発しやすいのです。
怒りは人を殻に閉じこもらせ
場合によっては鬱状態につながる可能性もあります。
怒りは他人に向けられることが多いが自分に向くこともあり、
その結果、自己評価の低下につながってしまう。
常に自分に対して怒っている人もいます。
そのような人は自己嫌悪や自己非難の感情に苛まれてしまいます。
■一時しのぎの対処法
感情知能が高い人と比べて、“怒りの常習者”たちは
感情をコントロールする能力が低い。
専門家によるコーチングや心理療法などを受けないと、
自分を落ち着かせるために過剰な行動に走ることもありうる。
■人間関係に及ぼす悪影響
友人であろうと、パートナーや上司であろうと、
怒りを伴うコミュニケーションは不毛で発展性がありません。
激しい怒りは人を遠ざけ、人間関係の質を落とし、
付き合いの範囲を狭めてしまいます。
怒りながら表現することは感情的に未熟であることの現れです。
幼い子どもが何かを欲しい時、
言葉で表現できないため怒りとして表すことがあります。
しかし大人になれば言葉を使えます。
怒りに支配された人は自制心を働かせながら
感情を言語化することができないので自己に閉じこもってしまいます。
怒りは恋愛関係にも悪い影を落とし、破綻につながることもあります。
●解決方法
まずは怒りを認め、怒りに負けてしまったことを受け入れること。
自分の感情を紙などに書き出し、
少し時間を置いてから見直してみるのも
自分の感情をコントロールするのに効果的。
深呼吸は積もった怒りを軽減させ、心を落ち着かせる。
自然に接するのも怒りを早く解消するのに役立ちます。
自分に起きた感情を言語化し、怒りを向けてしまった人に詫びること。
そうすればかっとした怒りも徐々に薄らいでいきます。