〇本当に体によい食品を見分けるには〇
巷にあふれる健康情報。
流行に惑わされずに
正しいものを取捨選択する基準は
どこにあるのでしょうか?
健康情報と上手につきあうコツをご紹介
■「〇〇が健康によい」という情報が多すぎる
ほかの生活習慣や運動習慣の違いが
関係しているかもしれないのに、
経験談ではそこが語られません。
科学的なデータとして信頼できるのは
研究対象となる人をランダムに
2つの集団に分けて比べるランダム化比較試験。
最上位は複数のランダム化比較試験を統合した
調査結果で、メタアナリシスと呼ばれます
まり、メタアナリシスこそが最強のエビデンスであり
ピラミッドの頂点。
メタアナリシスの手法で導き出されたデータは
現時点で最も信頼できる情報であると考えらます。
■本当に「炭水化物は健康に悪い」の?
たとえば、よく耳にする次のような健康情報。
これは正しいと言えるのでしょうか?
1)炭水化物は健康に悪く、食べると太る
2)ステーキは健康によく、食べても太らない
1の炭水化物については、
よい炭水化物と悪い炭水化物があります。
精製された“白い炭水化物”は健康に悪いのですが
精製されていない“茶色い炭水化物”は
健康によいのです。
糖質制限の研究は
この2つを区別していないことがあり
一緒に扱われているのは問題だと思います。
2の肉類については「赤い肉は健康によい」
といった表現をされることもあります。
赤い肉とは、牛や豚など4本足の動物の肉のこと。
鶏肉などの白い肉と区別して、こう呼ばれます。
しかし、確かに「赤い肉」は炭水化物と比べると
血糖値は上がりにくいのですが、
大腸がんのリスクを高めたり、心筋梗塞や
脳梗塞のリスクが高くなるという研究結果があるそう。
“赤い肉”を食べるほど
健康になるというエビデンスはないため、
無理して食べる必要はないようです。
■“赤い肉”を大豆に置き換えてヘルシーに
健康なカラダを保つには
良質なたんぱく源は欠かせません
“赤い肉”を大豆に置き換えること。
イランで行われた実験では、
“赤い肉”を大豆に置き換えるだけで
血糖値が30下がったというデータがあるといいます。
さらに野菜・果物の食べ方と
体重変化の関係を調べた調査では
「豆腐と大豆」を食べた人は
明らかに体重が減少しやすくなる傾向があったとか。
大豆などの豆類には、
血圧・コレステロール・中性脂肪・血糖値を
下げるというエビデンスもあり、
「健康によい」食品であると考えられています。
近年では、ミートオルタナティブと呼ばれる
植物性の肉代替商品や、
乳製品を使わないチーズなどの開発が進み、
欧米ではかなり一般化してきています。
■正しい知識は病気を予防するための一番確実な方法
毎日の食事は小さな選択の連続です。
そして、その選択は確実に私たちを
病気から遠ざけたり、近づけたりしています。
正しい知識を身につけることは、
病気を予防するための一番確実な方法なのです。
人とは違う、自分自身のカラダの状態を
きちんと把握し、
エビデンスを検証する心構えを持つこと。
それが、無数の健康情報と
うまくつきあうコツといえそうです。