Trio Jean Paul
ピアノ三重奏曲 第27番 ハ長調 Hob.XV.27
ピアノ三重奏曲 第23番 ニ短調 Hob.XV.23
ピアノ三重奏曲 第12番 ホ短調 Hob.XV.12
ピアノ三重奏曲 第26番 嬰ヘ短調 Hob.XV.26
2013年録音
レーベル:Avi Music
演奏 (評価は5つ星が満点です)
HMVの解説によれば、1991年に結成されたトリオ・ジャン・パウロは1993年の大阪国際室内楽コンクール、1995年のメルボルン室内楽コンクールで優勝している実力派で、この録音時でも既に20年以上のキャリアがあるんですね。
私にはまだまだハイドンの楽曲が『分かる」程の知識も聴き込んだ経験もないのですが、闊達ながらも丁寧さも感じられる彼らの演奏は、ハイドンならではの親しみやすさが漂っているように思えます。
その分、奥深さや内省的な側面に関しては、私には余り訴求してくるものがなかったように感じますが、それはこちらの勉強不足、経験不足にその責があるのだと思います。
彼らのキャリアを知らずに聴いていましたが、心地よいキレのあるアンサンブルは見事に整っていて、20年以上のキャリアと聞けば「さもありなん」と頷けます。
ただ個人的には少しチェロが控えめで物足りないとも感じます。
録音 (評価は5つ星が満点です)
中央やや奥にピアノ、その手前やや左にヴァイオリン、そして右手にチェロがしっかりと定位する録音です。
演奏がそうであるように、録音にも音のキレや粒立ちの良さが感じられ、特にピアノの音色に関しては一音一音がビロードの上を転がる小さな美しい水晶玉をイメージさせる鮮度、際立ちがあります。
やや強めのアタックの響きがハッとするほどの鮮烈さを伴って再生されたりもしますが、決して過度にエッジが効いたものではありません。
彼らの演奏スタイルか、それとも録音の結果なのかは分かりませんが、低域の豊かさや量感に関しては物足りなく、それはチェロに留まらず、ヴァイオリン、ピアノに関しても同様な感触です。
残響も少し控えめと言えるかも知れませんが、響きにドライさは感じません。
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