2015年 9月13日(日)
開場14:15 開演15:00
兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
佐渡 裕 指揮
Haydn - 交響曲 第 7番 ハ長調 Hob.I:7 『昼』
Beethoven - ピアノ協奏曲 第 4番 ト長調 作品58
小林 愛実 (p)
Stravinsky - バレエ音楽『春の祭典』
2015-16シーズンの開幕定期演奏会は、『春の祭典』をメインに据えた意欲的なプログラムでした。
まずは古典派保守本流、ハイドンの『昼』でしたが、私は初めて聴く楽曲、事前の佐渡さんのお話にもありましたが、交響曲でありながら、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、フルートがソロとして、或いはデュエットとして活躍する楽しい楽曲でした。
特に第2楽章のヴァイオリンとチェロとの二重奏はとても素晴らしく、チェロはケルン放送交響楽団のソロ主席との事でしたが、流石の演奏でした。
第3楽章のコントラバスのソロもイェーテボリ交響楽団からのゲスト・プレイヤーでしたが、こちらは今一歩だったかも知れません。
第4楽章のフルートソロは、PACオケのメンバーのようでしたが、とても高い技術を感じました。
19歳の新進気鋭の女性ピアニスト、小林 愛美さんをソリストに迎えてのベートーヴェンの第4協奏曲、少し小粒な印象のあるピアノながら、その技術に淀みはなく、若さが至らなさに結びつかない立派な演奏だったと思います。
ただ、ベートーヴェンの楽曲としては、やはり力感に物足らなさを感じました。
アンコールにはショパンのマズルカ第13番 イ短調 作品17-4を演奏してくれました。
繊細で可憐な響きでしたが、ショパンでも少し深みや情感に物足りなさは否めませんでしたが、まだまだ若い演奏家です、今後の成長に期待と言ったところだと思います。
そしてメインの春の祭典。
妙に間の長い冒頭のファゴットの調べに、少し不安を感じましたが、それはすぐに払拭されました。
大編成のオーケストラによる春の祭典は流石に迫力もあり、大幅に補強された演奏陣のアンサンブルも、複雑な難曲であるにも拘わらず、破たんを感じさせる場面は全くありませんでいた。
一致乱れぬアンサンブルとまでは言えなかったにせよ、とても高いレベルでの演奏だったと思います。
補強のメンバーが素晴らしかったのかも知れませんが、今期のPACには管楽陣に心強さが感じられ、前のシーズンで常に不安と不満を感じていたホルンにも、大きな疵を聴きとる事はありませんでした。
トランペットに至っては、一流オケと遜色のない輝かしい響きで、ゲストプレイヤーは元北ドイツ放送交響楽団の首席との事でしたが、納得の演奏、PACのメンバーもそんな彼に負けない音色を響かせていたと思います。
圧巻はこれまたゲストプレイヤーでしたが、ウィーン交響楽団の首席が演奏するティンパニは、視覚的にも楽しめる躍動感のある演奏で、正確無比、表現にも過不足のない素晴らしいものでした。
こうして書き連ねると、ゲストメンバーの素晴らしさが印象的だったようにも思えますが、その実、そんな素晴らしいゲストたちに引けを取らない演奏をPACのメンバーはしていたと思います。
そしてそんな百戦錬磨のゲストたちをも巻き込んで、真剣で丁寧な演奏を繰り広げさせるPACオケならではの雰囲気は今シーズンも健在で、今後の定期演奏会がとても楽しみです。
アンコールにはチャイコフスキーの弦楽セレナーデ第1楽章を演奏してくれました。
春の祭典の編成での弦楽5部ですので、これまた重厚な響きが素晴らしかったです。
聴衆マナーはまずまずでしたが、やはり演奏中に飴玉のビニール包の音を響かせるおばさんも健在でしたね...。