20150203

Konstantin Lifschitz (p)

2012年録音
レーベル:Orfeo

演奏 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

私は全く知らなかったのですが、HMVの解説に拠れば1994年に18歳だったリフシッツがグネーシン音楽学校の卒業記念で弾いたゴルトベルク変奏曲は大きな話題となり、その数日後に DENONに録音したアルバムはグラミー賞にもノミネートされたそうです。
それから20年を経ての再録音と言うことになりますが、流麗とは対局にあるかのような力強いタッチと一音一音を明確に弾くリフシッツのゴルトベルク変奏曲、味わい深いものがあると思います。
ゴツゴツした感触さえ部分的にはあるにも拘わらず、全体としての流れに淀みやギクシャク感はなく、ユニークと思える表現もあったりしますが奇異な印象を受けません。
流麗さはなくとも、指さばきに一点の曇が無いことは、早いパッセージの第5変奏などでしっかり確認できます。
1時間20分を越える長い演奏ですが、冒頭のアリアが特にゆったりであることを除けば、さして不自然に感じることもありません。
リフシッツ『渾身の再録音』と思わせる熱気があります。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

極低いステージノイズが後半には感じられ、ライヴなのかと思ったりもしましたがそうではないようです。
CDフォーマットなので強奏時の高域にはキツさを感じ、リフシッツの演奏そのものが強いタッチなのでそのキツさを増大させてはいますが、聴き苦しいレベルではありません。
逆に音数の多い強奏時であっても音場に混濁感は見られず、左右の引き分けが見事なリフシッツの指の動きが見えるかのような明瞭な音の輪郭があります。
ピアノに近い距離で聴いているかのような音像の大きさですが、それは良い意味での訴求感を演出しており、暗騒音はあっても静寂感に不足を感じません。

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