
Viktoria Postnikova (p)
ピアノ・ソナタ ト長調『グランド・ソナタ』作品37 1990年録音
子供のためのアルバム 作品39 1991年録音
ドゥムカ ハ短調 作品59 1992年録音
レーベル:Erato
ポストニコワによるチャイコフスキーピアノ作品全集のDisk3です。
(全集はCD7枚組です)
Disk4 四季/ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調
Disk1 ピアノ作品集1
Disk6 中くらいの難しさの12の小品 / 6つの小品もご参照ください。
演奏 

(評価は5つ星が満点です)
グランド・ソナタは少し気合が入りすぎているようにも感じます。
多少乱暴とも思え、楽曲的にも余り訴求するところが感じられず、楽しめると言う雰囲気がかなり薄く思えます。
対して子供のためのアルバムは、正にロシアのお母さんをイメージさせるポストニコワの演奏で、短いながらも愛らしくも可愛い24曲からなる楽曲を十分楽しめます。
少し丸い印象がある響きですが、そこには優しい眼差しが感じられたりします。
ドゥムカも肩に力が入った様相がなく聴きやすい演奏で、ある意味希少で貴重と言えるチャイコフスキーの全集を残しているポストニコワですが、大きな感動を与えることは出来なくともそれなりの価値はあると思います。
録音 

(評価は5つ星が満点です)
録音年が異なりますので、その録音の印象も楽曲ごとに異なります。
グランド・ソナタはかなり音質的には不満が残るもので、ピアノにベヒシュタインを用いていることもあるようですが、少しフォルテ・ピアノに近い響きです。
その響きにはすっきりとしない見通し感と中央に集まり気味の音場展開が感じられるので、ベヒシュタインの印象が悪くなります。
子供のためのアルバムとドゥムカはスタインウェイで演奏されています。
しかしながら子供のためのアルバムでは、音の輪郭に滲みを感じ、表現が柔らかく丸い雰囲気があることも相まって、やや明瞭さに欠ける印象がありましたが、聴き進めるに連れて違和感が減少するのも不思議に感じます。
この1枚の中では一番録音の新しいドゥムカでは、音場にすっきりとした印象があり、透明度を感じさせる如何にもスタインウェイらしい響きです。
全体的には音場がやや右に偏っているように感じられますが、録音年の異なる全ての楽曲が同様なので、これは私のオーディオ機器の調子の問題なのかも知れません。
ジャケットは変わっていますが、2008年にボックスセットも再販売されており、それは今でも現役盤です。
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