20141117

小川 京子 (p)

2012年録音
レーベル:Livenotes

演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

正直、小川さんの演奏は指さばきが流麗であるわけでもなく、その表現や音色の多彩さにも目を見張るような処はないように私には思えます。
しかしややゆっくり目のテンポで進められるピアノ独奏版のレクイエムには、楽曲を深く掘り下げた結果としての演奏と感じられる面が多々あります。
オリジナルを聴き馴染んでいるからかもしれませんが、主旋律がしっかりと伝わってきますし、オーケストラ・パートと声楽の部分との妙味のあるツェルニーの編曲がとても楽しめる演奏だと思います。
小川さんは日本のモーツァルト研究の権威である海老沢 敏氏の奥さんらしく、恐らくは海老沢さんもこのアルバム制作には少なからぬ助言等をしているのかも知れません。
それでもやはりその技術に何らの不安のない世界的なピアニストに録音してもらい聴いてみたいとは思いますが、私の好きなピアニストがこの楽曲を録音することはまずは無いでしょう。

録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

再生が始まった途端、その実在感の高さに驚かされる録音です。
まるで目の前で演奏をして貰っているかのような感覚が味わえる再生音には、高い音響的な愉悦感が備わり、音の波動などの直接感も素晴らしい領域です。
音の輪郭や見通し感にも文句のつけようがなく、残響もしっかりとありながらも響きの明瞭さを損なう事がありません。
楽曲を深く掘り下げ演奏している小川さんの想いすら感じ取れるような録音です。

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