
Éric Le Sage (p)
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
2012年録音
レーベル:Alpha
演奏 


(評価は5つ星が満点です)
エリック・ル・サージュは1964年生まれのフランス人ピアニストですが、初めて聴きます。
早春の風に揺れるレースのカーテン、そして白を基調とした調度が清潔感を与える部屋で聴いているかのようなベートーヴェンです。
フランス人だと知って聴いていたからかもしれませんが、彼の演奏にはベートーヴェンと言えども重苦しさや重厚さはなく、その響きの奥底にはエスプリさえ感じられます。
第32番ソナタの第2楽章中間部など、チャールストンのリズムが感じられたりもします。
そう書くと一種特異な演奏にも思われるかもしれませんが、実際にはかなりオーソドックスな演奏で、変わったことはしていないのに個性ある演奏に惹き込まれる感覚です。
ベートーヴェン最後の3つのソナタに奥深さや良い意味での重厚さを求めるなら、ル・サージュの演奏はかなり物足りないかも知れませんが、私は面白く聴けました。
録音 

(評価は5つ星が満点です)
ピアノ独奏の録音としては殊更音場展開が狭いと感じるわけではありませんが、音場そのものは中央に集まり気味で、響きの拡散も広い方ではないと思います。
しかし響きに乗るル・サージュ独特の雰囲気は十分伝わってくる録音で、ややモノクロームな雰囲気がありますが聴き心地は良いと思います。
音の輪郭や粒立ち感などに音響的な愉悦感は少ないかも知れませんが、調度良い残響が心地良く響く録音でもあると思います。
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