20141007

Rémy Ballot指揮
Altomonte Orchester St. Florian(ザンクト・フローリアン・アルトモンテ管弦楽団)

1873年第1稿

2013年録音(ライヴ)
レーベル:Gramola

演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

このアルバムの収録時間は89分4秒もあり、Wikiに再長時間録音のアルバムとして記載もされています。(私の記憶では、このアルバムがリリースされるまではピリスのアルバムが記載されていたと思います)
第1稿に拠ることも長時間の演奏である理由の一つですが、それ以上に実際のテンポがとても遅く、第1楽章は32分半、第2楽章も23分40秒もあり、これだけでヨッフム&シュターツカペレ・ドレスデンの全曲演奏時間54分半を超える有り様です。(勿論版の違いはありますが)
遅いテンポそのものは決して悪い事とは言えませんし、それはチェリビダッケが証明もしていますが、ここでの演奏は少し冗長で弛緩した印象を受けます。
HMVの解説に拠ると、指揮者のレミ・バローは少年時代にチェリビダッケに認められて教えを受けているそうですが、かなり遅めのテンポでブルックナーを演奏するには、強い精神力と研ぎ澄まされた緊張感の持続が指揮者にも、演奏者にも求められると思うのですが、それを具現化できているとは思えません。
確かにライヴの一発録りであることを考えると、十分以上の完成度の演奏かもしれませんが、それは通常テンポで演奏していればの話だと思います。
ただライヴにありがちな尻上がりに調子は良くなる演奏で、テンポも前半に比べれば極端とは言えない第3楽章、及びフィナーレは中々良い演奏をしていると感じます。
演奏後の拍手はかなり時間をおいて始まりますが、何となく気のない拍手に聴こえるのは気のせいでしょうか...。

録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

昨今としては珍しいといえるライヴ感満載の録音です。
聴衆ノイズはありますが多い方ではなく、それよりもステージノイズがかなり頻繁に聴こえるのが気になるといえば気になります。
演奏の最初から最後まで、ノーカットで収録されており、楽章間は盛大にステージノイズが聴こえますが、そのノイズも生々しいと言える実在感があります。
リンツのザンクト・フローリアン修道院で収録されており、残響はかなり眺めで響きそのものは美しく感じられますが、音響的には音の輪郭が少し甘く、定位も少し不明瞭です。
木管群などの響きも埋もれている印象がありますが、コントラバス、チェロの低音群は必要以上に量感が高く、タイトさが不足しているためにややブーミーです。
とは言え、そんなに酷評されるほどの録音ではなく、左右への広がりや力感はあります。

(画像をクリックして頂くと、HMVの当該サイトにリンクしています)