20140716

Paul Lewis (p)

ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960

2002年録音
レーベル:Harmonia Mundi

1972年生まれのイギリス人ピアニスト、ポール・ルイスによる2枚組のシューベルト、ピアノ・ソナタ集のDisk2です。
Disk1 Schubert - ピアノ・ソナタ 第14番 / 第19番もご参照下さい。

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

私は余り褒められた音楽の聴き方をしていなく、新譜を追い掛けて次々と聴くものの、その殆どは「一聴」で終わってしまいます。
枚数自慢のコレクターではありませんし、いつまでも今のペースで購入出来るはずはなく、仕事をリタイアするまではと若干無理をして新譜を買っているわけですが、やはり仕事をしていると聴ける枚数には限りがあり、上述の「一聴」で自分なりの判断をしてしまっています。
それが余り良くないことだと改めてこのアルバムのDisk2を聴いて思いました。

Disk1同様、シューベルトを聴いているような気分にはなれないのですが、これはこれで新鮮でユニークな切り口の演奏ではないかと思います。
可憐な少女が登場するメルヘンチックな紙芝居を見ているような、そしてその語り手は間違いなく男性なのですが、無骨な語り口ではありません。
ロマンティックな旋律であっても、シューベルトにはどこかしら男性的な無骨さを感じる事が私は多いのですが、ポール・ルイスのピアノだと、時にはそれがショパンの楽曲のような雰囲気が感じられたりもします。
確かにショパンほどの華麗さを感じる事はありませんが、繊細で純粋、そして若さの持つ清潔感がある佇まいを連想させる演奏はルイスの年齢に関係なく、Disk2から11年後の録音であるDisk1でも同様だったと思い出され、その魅力を感じ取れていなかったと思います。

録音 
☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

音場はやや中央に集まり気味で、
第21番ソナタでは音の輪郭に僅かな滲みを感じますが、これは気のせいかも知れません。
ノイズ成分があるわけでも全くありませんが。どこかしら音場には「完全な静寂」とは感じられない雰囲気があります。
しかしそれが音楽に不自然さや不明瞭さをもたらしている訳ではありません。
音の粒立ち、切れ、立ち上がりなどは並み程度ですが、数少ない強奏時には低音の波動やピアノのボディの響きが感じられる力強さを見せたりもする録音です。

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