鈴木 雅明 指揮
Bach Collegium Japan(バッハ・コレギウム・ジャパン)

第110番『われらの口を笑いで満たし』より第1曲 BWV100-1
2008年録音
第161番『来たれ、汝甘き死の時よ』より第1曲『来たれ、汝甘き死の時よ』BWV161-1
米良 美一 (C-T) 1997年録音
第 55番『われ貧しき者、われは罪のしもべ』より第1曲『われ貧しき者、われは罪のしもべ:BWV55-1
Gerd Türk (T) 2006年録音
第120番『神よ、人はひそかに汝をほめ』より第4曲『救いと祝福が』BWV12-4
Hana Blažíková (S) 2010年録音
第102番『主よ、汝の目は信仰を顧みるにあらずや』より第1曲『主よ、汝の目は信仰を顧みるにあらずや』BWV102-1
2009年録音
第 82番『われは満ち足れり』より第1曲『われは満ち足れり』BWV82-1
Peter Kooij (Bs) 2006年録音
第105番『主よ、裁きたもうことなかれ』より第3曲『なんと震えまたゆらぐことか』BWV105-3
Miah Persson (S) 1999年録音
第 91番『讃えられよ、イエス・キリスト』より第4曲『おおキリスト者よ!さあ、備えをせよ』BWV91-4
Peter Kooij (Bs) 2004年録音
第 91番『讃えられよ、イエス・キリスト』より第5曲『神は、自ら貧しさを見に追うことで』BWV91-5
野々下 由香里 (S(, Robin Blaze (C-T) 2004年録音
第 29番『神よ、われ汝に感謝す』より第1曲 シンフォニアBWV29-1
鈴木 優人 (org)
第103番『汝ら泣き叫ばん』より第1曲『汝ら泣き叫ばん』BWV103-1
Dan Laurin (recorder) 2006年録音
第125番『平安と喜びもてわれは逝く』より第2曲『たとえ、この目が衰え翳んでも』BWV125-2
Robin Blaze (C-T) 2005年録音
第 51番『全地よ、神に向かいて歓呼せよ』より第4曲『讃美と誉れと栄光』BWV51-4
第 51番『全地よ、神に向かいて歓呼せよ』より第5曲『アレルヤ』BWV51-5
Carolyn Sampson (S) 2005年録音
第147番『心と口と行いと生活で』より第10曲『イエスは変わらざるわが喜び』BWV147-10
1999年録音

レーベル:BIS

オーディオ季刊誌『STEREO SOUND』2014 Spring No.190に付録の鈴木 雅明&バッハ・コレギウム・ジャパンが成し遂げた偉業、バッハの教会カンタータ全曲録音全55巻からの抜粋、サンプルとしてのSACDハイブリッド盤です。

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

私には悪い先入観があり、『日本人のクラシック音楽演奏家は、ごく数名のソリストを除いて世界的にはまだまだのレベルで、CDを購入して聴くまでもない』と思い込んだりしています。
残念ながら単なる先入観ではないと感じる事も多いのですが、ここで聴く鈴木氏のバッハは、彼らが『ごく少数の優れた演奏家』だと思わせるに十分で、この夏に発売されるという全55巻の全集は購入することになると思います。
やはり先入観で米良 美一 などはバラエティにも出演している歌手でしたので、大したことはないと思っていましたが、彼の歌唱も世界に通用すると言うのも嘘ではないと感じます。
歌唱は合唱、独唱どちらも素晴らしく、弦楽陣や木管群にも、聴いていて不安や不満を感じることは殆どありません。
厳しいことを言えば、トランペットに少しだけ技術的な余裕がないようにも聴こえますが、それは粗探しと言っても良い範疇です。
録音に18年を費やしたと言う全曲録音からの抜粋ですので、この選集に納められている楽曲達もその録音年は大きく異なります。
しかしながら聴いていて楽曲による表現や雰囲気のぶれは全く感じられず、鈴木氏の揺るぎない教会カンタータへの信念が感じられますが、それは近寄りがたい変こつさとは無縁の、実に清々しい心地よさをもたらしてくれます。

録音 
☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

一部は今回SACDにリマスタリングされていますが、その録音年月の隔たりを全く感じさせず、聴いているだけでは全く異なる年月に収録されているとは信じがたい録音です。
収録会場を神戸松蔭女子学院大学のチャペルで一貫していることが大きな要因だと思われますが、録音にも及ぶ鈴木氏の強い信念、一貫性がその背景にはあるように感じます。
音の見通し感はとても優れていて、切れすぎない鮮やかさと管弦楽と歌唱とのバランスもすこぶる上々です。
奥行き感にも優れ、定位のしっかりした各楽器の質感が伝わってくる録音には、奏者の柔和な表情が窺えるかのような手応えがあります。

STEREO SOUND誌は3月中に購入すれば税込み2,415円です。(本体価格2,300円)
オーディオに余り興味がなくとも、このサンプルSACDハイブリッド盤を手に入れるためだけでも、その対価を払うに値すると私は思います。