Charles Rosen (p)

1967年録音
レーベル:Newton Classics

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

冒頭は白亜な響きが淡泊に感じられ、教則本に付録で付いてくるかのようなお手本的な演奏に聴こえたゴルトベルク変奏曲ですが、第5変奏あたりから様相が変わり、とてもリリカルで熱気も高まってゆく感触でした。
それでも全体を通じて一音一音をしっかりと大切に弾く姿に変化はなく、アゴーギクやデュナーミク、そして装飾音に関しても、鼻に付くような処がなく、情感を感じさせながらも明晰さや理知的さを忘れない演奏に思えます。
アリアのダ・カーポ前の第30変奏では、大いに盛り上がる演奏が多いように感じるこの楽曲ですが、ローゼンは最後のアリアに向けてクールダウンさせるかのようなアプローチで、良い意味での冷静さを失わない姿勢が素晴らしいと思います。
チャールズ・ローゼンは1927年に生まれ、2012年に亡くなったアメリカのピアニストだそうですが、フランス文学の博士号も持ち、コンサート・ピアニストとしての活動の傍ら、アメリカの著名な大学でフランス語を教え、音楽関係の著書も残している方らしいです。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

聴き終えて改めてジャケットを見て、1967年の録音だった事に驚きを覚えるほどの録音で、ノイズを感じないばかりか、ダイナミックレンジにも全くの不足を感じない録音です。
左右への広がりも素晴らしく、音の粒立ちも良好で、音色の多彩さも十分掴めます。
一音一音へのローゼンの拘りがしっかりと伝わってくる実在感、精細さにも不満はなく、とても素晴らしいアナログ録音だと思います。

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