Tanja Becker-Bender (vn), Péter Nagy (p)

ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品11-1
ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品11-2
ヴァイオリン・ソナタ ホ調
ヴァイオリン・ソナタ ハ調
瞑想曲

2012年録音
レーベル:Hyperion

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ヒンデミット、最近聴きだしたので余り良くは分かっていませんが、編成の小さな楽曲だと、ショスタコーヴィチとの近似性は殆どなく、かといって独墺風の構成感も高くはなく、何となくですがフランス物の薫りを感じたりします。
このアルバムもそうですが、ヴァイオリン・ソナタではあっても、ピアノの存在感が強く、ヴァイオリンとピアノとの競い合いのように聴こえる部分も多々あります。
戦闘的な或いは前衛的で先鋭さのある楽曲ではないのですが、フランス物の薫りを纏いながらも、ヴァイオリンとピアノ両者の鬩ぎ合い、そこに楽曲の妙があるように思われます。
そう感じるのは、1978年生まれのドイツ人女流ヴァイオリニスト、ターニャ・ベッカー=ベンダーと彼女が生まれた頃(1979年)にハンガリー放送コンペティションで優勝したハンガリー人ピアニストのペーテル・ナジの熱い駆け引きが演奏に感じられるからかも知れません。

録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

潤い感豊かな響きがとても美しい録音です。
しかしその残響成分が音の輪郭を僅かに滲ませているようには思われ、編成を考えれば、やや音場の見通し感も阻害されているかも知れません。
左にヴァイオリン、右にピアノが鬩ぎ合うかのように音場は現れ、中央には見えない壁があるかのように感じられる展開ですが、実際にはスピーカーの存在を強く感じさせるようなセパレーションではなく、あくまでもイメージとして両者の比較対象の描写が明瞭だと感じる録音です。

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